帝国データバンクが3月4日発表した、2月の全国景気動向調査によると、景気の方向性を示す景気DI値は前月比で3.2ポイント低下し、38.7ポイントとなり、5カ月連続で悪化した。景気後退局面が続く中、新型コロナウイルスの影響も加わり、大幅悪化となった。
調査では、10業界のすべてが悪化となった。特に、製造業が10カ月連続で悪化、卸売業、運輸・倉庫業、サービス業も大幅悪化となった。企業規模別でも、大企業、中小企業、小規模企業ともに5カ月連続の悪化となった。
中国経済悪化の影響で輸出入関連が非常に影響を受けたほか、新型コロナウイルスによる訪日客の減少や各種イベントの自粛、外出の手控えなど、経済活動が大きく制約。また暖冬のほか消費税引き上げによる需要の低下、世界的な株価下落も下押しの要因となった。
地域別では、全地域、全都道府県で悪化。人とモノの動きが停滞し、特に観光業が主要産業となる地域では景況感が大きく悪化した。
今後の見通しとして、帝国データバンクは「緩やかな後退が続く」と見ている。新型コロナウイルスの広がりや収束が景気の先行きを左右する。さらに、米中貿易摩擦や中東情勢などもリスク要因となるほか、世界的なサプライチェーンの再構築が進められる可能性もある。また政府のポイント還元策の終了後の消費動向や、人手不足、働き方改革に伴う企業の負担増も懸念されるとしている。
一方で、5Gの本格化や半導体サイクルの好転、東京オリンピックなどは好材料とした。
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