新型コロナ対策で「テレワーク実施」は8割 「業務計画の見直し」を始めている企業は……:ビジネスへの影響は?
マーサージャパンが新型コロナウイルス感染拡大に伴う企業の対応などを調査。テレワークは8割の企業が何らかの形で実施している。今後のビジネスへの影響は、6割の企業が「現時点で不明」と回答。業務計画に見直しに着手しているのは1割だった。
世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、企業は今後の対応やビジネスへの影響をどう見ているのだろうか。米コンサルティング会社マーサーの日本法人、マーサージャパンはこのほど、新型コロナウイルスの対応状況や今後の影響に関する調査結果の概要を発表した。在宅勤務やテレワークは、全体の8割の企業が何らかの形で実施していると回答した。
現在の対応状況については、「緊急性の低い国内外の出張を中止・延期」としている企業が91%を占めた。また、「時差出勤の許可・奨励」も84%と多くの企業が実施していた。
在宅勤務やテレワークについては、82%の企業が全社、または一部の部門で実施していると回答。一方、実施していない18%の企業では、「インフラが整っていない」(78%)、「関連規定・ルールが整備されていない」(66%)、「業務特性がテレワークに適していない」(62%)といったことが導入できない理由となっている。
その他、「集合型社内研修の中止・延期」「職場での懇親会等の中止・延期」「採用関連イベントの中止・延期」「オンライン会議への切り替え」などの対応をしている企業も多かった。
今後のビジネスへの影響については、「ネガティブな影響を与える可能性が高い」と回答した企業が29%を占めた。一方、61%の企業は「現時点での具体的な影響は不明」と回答している。また、新型コロナの影響を受けて、「すでに2020年度の予算や業務計画の見直しに着手している」という企業は10%、「今後、予算や計画見直しの可能性が高い」企業は16%。現時点では、ビジネスへの影響を予想できないという企業が多いようだ。
マーサージャパンは「ビジネス面の影響や4月以降の業務計画の見直しについては慎重に見極める姿勢が大半であり、悲観的なトーンが比較的強いメディア報道に比べ、企業の現場では比較的冷静な対応が多く見受けられる」「感染拡大防止に向けた対応・施策が十分に整備されていない企業も散見される」とまとめている。
調査は、2月27日〜3月4日にインターネットで実施。579社の企業が回答した。
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