コロナ内定切りに遭った学生と、内定切りをした企業はどうなるのか?(1/3 ページ)
新型コロナの感染拡大を受けて、経済にも深刻なダメージを与え始めてる。企業の業績が悪化し、ついに「内定切り」勃発したのだ。
著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた):
株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
収まる気配の見えないコロナ渦ですが、経済にも深刻な影響を与え始めました。接客業や販売業は大ダメージを受け、今のところ回復の見込みも見えません。また新卒学生の合同説明会は軒並み中止され、就活学生も採用企業も右往左往しています。そんな中、ついに「コロナ内定切り」が勃発しました。
(1)コロナ内定切り
コロナ渦を理由に経営不振に陥った企業が、新卒内定の取り消しを始めました。収まるめどの見えない中、企業は必死にもがきますが、それ以上に今の時点で行き先を失った新卒学生にとっては、もはや後戻りできない中で困惑しています。
リーマンショックの頃といえば、私が大学のキャリア支援を始めたのもその時期です。内定切りも問題になりましたが、その後の人手不足により内定切りはあまり話題に上らなくなりました。そんな中、2月収束どころか4月を超えても恐らく平常運転に戻るのは難しいほどダメージを負った経済活動は、ついに内定切りという禁断の手に出てしまったといえます。
政府も内定切りを認識し、経団連始め経済団体に内定切りをやめるよう呼びかけ、新たに雇用調整助成金特例など対策し始めました。残念ながら、内定切りをする企業は規模の小さい会社が多く、経団連加盟企業クラスでの内定切りは報道されていないようです。
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