「来場者18人」「所要時間37分」 GMOインターネットが株主総会で新型コロナ対策を実施した結果:初めての挑戦(2/2 ページ)
GMOインターネットが株主総会を実施した。新型コロナの感染リスクを抑えるためさまざまな工夫をした。来場した株主は18人にとどまり、その他の株主はインターネットで視聴した。
業績や議題は読まず「お手元の資料をご覧ください」
株主総会を安全かつ迅速に終わらせるため、当日の議事進行にも工夫をした。まず、通常と違う株主総会を開催している背景を理解してもらうため、NHKが作成した1分程度の動画を流した。会場におけるマイクロ飛沫感染のリスクを分かりやすく伝える内容だったという。
同社の熊谷正寿社長は自身の公式Twitterで「総会運営のキーワードは『決議と安全が最優先』『適法に省略・短縮できることは全て行う』『株主様の満足度を鑑み、質疑応答は全てお答えする』です」と投稿している。この方針に従い、運営は極力省力化を心掛けたという。また、業績や議案は読み上げず、「お手元の資料をご覧ください」と伝えた。これは「むちゃくちゃ時間短縮になった」(熊谷社長)という。
株主から寄せられた質問に対する回答が長時間になりそうな場合は、役員を退席させることにしていた。だが、質問があったのは2人だけだったので、役員は会場に残った。
広報担当者によると、同社の通常の株主総会の所要時間は1時間30分〜2時間程だが、今回は37分だったという。
東洋経済新報社の調査では、2018年に実施された上場企業の定時株主総会の平均所要時間は57分、平均出席者数は216人だという(調査対象は全上場企業3715社で、有効回答企業は2146社)。つまり、GMOインターネットは平均よりも短い時間で株主総会を終了できたことになる。
経済産業省は、2月26日、「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」を発表している。これは、物理的な場所で株主総会を開催する一方で、インターネット等の手段を用いて遠隔地から株主が参加・出席できるようにするための方策を示したものだ。新型コロナウイルスの感染リスクが高まる中、GMOインターネットが開催したような株主総会は今後、増えるかもしれない。
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