退職時にこそ猛烈に仕事をすべき2つの理由:「お金」と「仕事」の本当の話をしよう(1/4 ページ)
転職市場が活性化しており、何度か退職を経験した人も多いだろう。退職時にこそ猛烈に仕事に取り組むべきだと筆者は主張する。どういうことかというと……。
「お金」と「仕事」の本当の話をしよう:
社会課題解決型のインパクト投資を行う「ミッション・キャピタル」代表の金武偉(Will Kim)氏が、外資系証券会社や米国大手ローファーム勤務などで学んだ「お金」と「仕事」のリアルをユーモアたっぷりに語りつくす
「もう自分の心は、この会社にはない」――勤め先を辞める決意が固まる頃には、誰しもこんな心境になるだろう。それは、恋人への感情が冷めたときの気持ちにやや似ているかもしれない。
人が会社を去る理由はさまざまだ。「給料が安い」「実績を正当に評価してもらえない」「同僚や上司とそりが合わない」というケースもあるだろう。もしくは「この会社は私がいなければ仕事が回らないくせに!」くらいの気持ちで去っていく人も多いはずだ。
会社を辞めようとする際、独特の心理が働いた結果、後戻りできないほどの失敗をしがちなことをご存じだろうか? 「どうせ辞めるんだから、あとはどうにでもなれ」と、やぶれかぶれになって子どもじみた辞め方をする人が非常に多いのだ。
人にはそれぞれ固有の事情があるので、外部の人間が“特定の辞め方”に対してとやかくいうのは大きなお世話だし、失礼だ。とはいえ、「辞め方がお粗末だったために、自分の首を絞めて損をしているもったいない人」がなんと多いことか。
本コラムでは、外資系証券、ウォール街の弁護士事務所、企業買収ファンド、ITベンチャー経営、そして複数企業の社外取締役を経験した筆者が「退職時にこそ猛烈に仕事をすべき」という信念を持つに至った理由について解説する。
「シグナル効果」を意識する
具体的には、自分の言動がもたらす「シグナル効果」と「侮れない世間の狭さ」について考察していこう。
一般的に、消費者は新商品の価値や品質を正しく判断できない。そこで、高品質の商品を売り出す場合、企業は高い価格をつけることでその品質を消費者にアピールすることがある。「シュークリームはコンビニで100円で買えるけど、うちのは1200円を払わない方には食べていただかなくていいんです」といった具合に、品質と顧客満足度への自信をメッセージに内包するのだ。同様に、上場企業が赤字決算を発表したにもかかわらず配当を維持することで、投資家に対して経営陣の強気の姿勢と勝算が間接的に伝わることがある。簡単にいうと、こういったことがシグナル効果と呼ばれるものだ。本コラムでは、この概念を退職時の姿勢に応用して考えていく。
「自分の考えや行動と、周囲がそれをみてどう受け止めているかということは時として全く違う」――一見すると当たり前のことだが、このシグナル効果を意識せずに行動をする人は意外と多い。
人が恋に落ちた時、2人が写っている写真をムービーにして指輪とともにプレゼントすれば、相手は喜ぶかもしれない。しかし、もしそれが片想いだった場合、受け取った相手は不安と恐怖を感じ取るだろう。
状況とやり方によって、自分の行動が発するシグナルは全く違ってくる。自分の意図にかかわらず、だ。
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