2015年7月27日以前の記事
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「コロナショック」がリーマンショック以上に日本を脅かす未来――混乱のドイツ経済から占う新型コロナの衝撃(2/3 ページ)

経済にも深刻な打撃を与えている新型コロナ。リーマンショック以上という予測も。ドイツの先行例を元にアナリストが分析。

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「リーマン」より回復展望描きにくく

 ドイツは日本以上に輸出で稼いでいる国だ。リーマンショックの際は、世界的な金融危機を受けて輸出が落ち込んだが、その後は各国が矢継ぎ早に経済対策を打ち、輸出は急速に回復した。特に中国が4兆元(当時のレートで約60兆円)規模の経済対策を実施したことが、ドイツの急速な景気回復につながった。

 しかしながら今回は、各国が巨額の経済対策を用意しているにもかかわらず、景気が回復する展望が描き難い。コロナウイルスの感染を防ぐため、ヒトとモノの移動が世界的に制限されているためだ。ヒトとモノの動きが正常化しない限り、各国が経済対策を打ったところで景気は回復しないため、輸出が動きようもないのだ。

 そもそもドイツ自体が、感染拡大を防ぐためにヒトとモノの移動に強い制限を課している。若者がコロナパーティーと称して夜間に出歩いてしまう国民性もあり、政府は国民に危機感を抱かせるために強い手段を取らざるを得ない。それが、ヒトとモノに対する強い制限といった形で表れている。

 例えば学校や生活必需品を販売する店舗以外を閉鎖し、大規模集会を禁止する措置が取られたのに加えて、3月下旬には3人以上の集会が2週間禁止された。同じ家に暮らす家族や、新鮮な空気を吸うために一緒に外に出ることなどは例外として認められるが、要するに政府は人々の外出を原則として禁止したということになる。

 国内でも国外でもモノが売れない状況が続けば続くほど、当然であるが企業の業績は悪化する。倒産する企業も増え、同時に失業する人々も増える。ドイツ政府は企業の資金繰りを支えるために無利子での融資や失業・休業手当の拡充などの対策に取り組んでいるが、ヒトとモノに課された制約が緩まない限り、事態の解決にはならない。

経済混乱、「次は日本」か

 コロナウイルスの感染の拡大が比較的抑制されていた日本でも、3月下旬に入って感染者が急増する事態となっている。東京都の小池百合子知事が首都閉鎖の可能性にも言及するなど、緊張感が強まっている。3月最後の週末となる28日から2日間について東京都は都民に外出の自粛を要請、神奈川など近隣の各県も同様の措置を採った。

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