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分単位で業務報告、返信は5分以内に――テレワークを地獄に変える「拘束系上司」部下を信頼しない管理職(2/3 ページ)

新型コロナで急速に進むテレワーク。中には「分単位での業務報告」などを要求する“拘束系上司”も。部下を信頼できない管理職の実態とは。

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テレワークで広がる上司の“疑心暗鬼”

 「(頻繁に)報告しなければいけない社員は、その報告業務に時間がかかって残業も伸びる。トイレにも行けずに過緊張状態で、とても息苦しくなる。テレワーク下で上司の疑心暗鬼が始まると、(仕事が)地獄みたいになってしまう……」(石倉さん)。

 実際、今回のコロナ問題でテレワークを導入した際、不安を感じるようになった管理職は少なくないようだ。人材系シンクタンクのパーソル総合研究所(東京・千代田)が4月10〜12日に行った全国調査によると、上司のみに聞いた「テレワークを実施して感じた課題」では、34.9%が「部下の仕事の様子が分からなくなった」と回答。26.9%は「部下の労働時間の管理が難しくなった」とも答えている。

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テレワークで感じた課題(4月10〜12日調査、パーソル総研「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」第2回)

 本調査を分析した同研究所の小林祐児・主任研究員は「上司が部下の顔を職場で見ながら仕事を割り当てていくのが日本企業のスタンダードだった。それがテレワークでかなり難しくなっている」とみる。

 「トップダウンで計画的に仕事を割り振る米国企業などと違い、そもそも日本では被っている仕事の調整などを(対面で)話し合って進めていくやり方を取る。そうした仕事の根本はテレワークに際して変えるのが難しいため、上司は感情的なマイクロマネジメント(命令・強制による厳格な管理)を取ることになる。今は業務進捗を管理するITツールも充実しているので、やろうと思えばこのマイクロマネジメントもできてしまう」(小林さん)。

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