仕事のテレワーク化、「コロナで嫌々」でなく「当たり前」に変える秘訣:危機をチャンスに(1/4 ページ)
新型コロナで急務となった企業のテレワーク化。実は多くの業務で代替可能と筆者は指摘。コロナ危機をチャンスに変えるコツとは。
新型コロナウイルス対応は長引くことが想定され、長期的な共存を覚悟しなければならない。目下、政府や自治体が積極的なテレワーク実施を呼びかけているものの、期待されているほどテレワークが浸透していないのが実情である。
テレワークを「前提」とした新発想を
パーソル総合研究所が実施した調査では、緊急事態宣言後の4月中旬時点でテレワークを実施しているのは緊急事態宣言地域の7都府県で38.8%、東京都に限れば49.1%(3月中旬は23.1%)であった。この1カ月間でテレワーク実施率は増加しているとはいえ、政府が要請する出社7割減には程遠い。
テレワークを実施していない理由としては、テレワークで行える業務ではない(47.3%)、テレワーク制度が整備されていない(38.9%)ことが上位に挙がっている。医療・介護・物流・食品関係など、現場でないと確実に仕事ができない職種もあるが、オフィスワークであれば環境さえ整えばテレワークが可能となる職種も多い。テレワークでは仕事ができないという思い込みがテレワークの普及を阻害しているとも言える。
もともとテレワークが導入されていた企業であっても、週に1回程度のテレワークであれば、その日は1人で集中しておこなう類のテレワークに「適した」仕事、テレワークでも「できる」仕事をするというスタンスで事足りていた。しかし、今回のようにテレワークが常態化すると、そうした仕事だけをテレワークでおこなうという対応では限界がくる。
このような状況下では、テレワークではできないと思っていた"当たり前"を見直し、テレワークを前提として、全ての仕事をどのようにしたらテレワークでできるのかという発想に切り替える必要がある。
前述の調査でテレワークを実施していない理由として、テレワークのためのICT環境が整備されていないと回答した人は19.9%に過ぎなかったが、ICT環境を使えば自身の業務をテレワークで置き換えられるというイメージができていなければ、ICT環境の問題として考えることは難しい。テレワークを浸透させていくためには、テクノロジーを使えばより一層出勤する必要性を減らせることを理解し、積極的に"テクノロジーの力を借りる"ことが必要である。
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