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新型ハリアーはトヨタの新たな到達点池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/6 ページ)

トヨタは、売れ筋のSUVマーケットにまた強力な新兵器を投入する。SUVバリエーションの最後のピースであるハリアーだ。結論からいえば、新型ハリアーは、多面的なその調律に成功し、トヨタブランドの範疇(はんちゅう)の高級というものが、バラバラの要素ではなく、一つの方向にキチンと収斂(しゅうれん)して、なるほどと思わせるものになっていた。

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「どうしたトヨタ?」と思うくらい上質感

 エクステリアのデザインに感心しつつ、インテリアに目を移すと、こちらもレベルが高い。言っては悪いが「どうしたトヨタ?」と思うくらい上質感がある。白眉と言えるのはやはりセンターコンソールで、馬の鞍(くら)をイメージしたというこの造形を成り立たせているのは、引き算である。ご存知の通り、センターコンソールというのは割と地価の高いところで、スイッチ類をはじめ、付けたいものはゴマンとある。

 そういうものを排除して、素材の広い面を見せたからこそこういうデザインになるのだ。安くて見栄えの良い素材を使って、余計なものを取り払い、美しい造形そのものを見せる。だから、こことステアリングの造形を見比べるとその志の違いがはっきり分かってしまう。


新型ハリアーのインテリア

 今やオーディオとかクルーズ系とかのコントロールはステアリングから外すわけにもいかないから、これはトヨタ全体の統一性の問題で手がつけられなかったんだろうとは思う。しかし、操作ボタンがいっぱい付いて、それゆえに樹脂の造形に頼る必要が高まり、素材もプラ丸出しになってしまう。ここだけ旧来のトヨタデザインが見える。ステアリングとセンターコンソールを見比べると、今回のトヨタの進歩幅がよく分かる。見てお分かりのとおり、ドアの内張りやダッシュボードなどの造形はちゃんと新しい。

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