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東武鉄道の日比谷線乗り入れ列車「THライナー」、その狙いは?メトロから東武へ(2/3 ページ)

東武鉄道は6月6日、座席指定列車「THライナー」の運行を開始した。運行区間は久喜〜霞ケ関・恵比寿間で、70090型を使用している。THライナーはどんな特徴があるのか、実際に乗車したところ……。

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THライナーとは、どんな列車なのか?

 実際に、THライナーに乗ってみることにした。乗車日は6月9日、18時02分霞ケ関発の列車である。

 上りのTHライナーは久喜〜霞ケ関間が全席指定、霞ケ関以降が自由乗降区間となっている。下りのTHライナーは霞ケ関始発であり、上野まで乗車のみ、新越谷からは下車のみとなっている。


THライナー、終着の久喜駅

 東京メトロの霞ケ関駅では、官庁街で仕事を終えた人たちが改札に向かおうとする人の流れがあった。そんな時間帯に絶妙な列車として、平日のTHライナー1号は設定された。

 THライナーに乗車する際、気をつけなければいけないのはトイレである。改札に入って日比谷線のホーム近くにはトイレはなく、改札の外にいるうちに用を足さなくてはならない。座席指定券は、駅の券売機で購入するか、ネット予約をするのかのどちらかで購入できる。頻繁に利用する人なら、ネット予約がおすすめだ。


THライナー運転区間・停車駅(出典:東武鉄道)

 日比谷線のダイヤはタイトである。利用客が多い路線なので、数分おきに各駅停車がやってくる。18時00分にも、各駅停車が出発したばかりだ。それから1分ほどたって、THライナーがやってくる。ドアは1両につき1カ所しか開かない。筆者は1号車の窓側に座った。

 18時02分に発車。座席は硬めで、普段の通勤電車の利用を意識したものだろう。スマホなどの充電用のコンセントと、ドリンクホルダーが備えられている。

 停車駅こそ少ないものの、日比谷線内では先行車両を追い越すことはできないので、ゆるりゆるりと走る。駅を通過する際には、その駅の様子がよく見えるほどである。

 銀座・茅場町・秋葉原・上野と少しずつ乗客が乗ってくる。乗車率は40〜50%ほど、といったところだ。18時02分に霞ケ関を発車し、定時より少し遅れて18時26分に上野発となり、ゆったり感はさらに増した。

 18時31分ころに地上に出て、37分ころに北千住で運転停車。ここで乗務員が交代する。荒川を渡る橋梁では、複々線の内側を走っている。梅島をすぎると減速し、渡り線を通って快速線に移行する。

 こちらの線路は、急行などの停車駅の少ない列車や、特急といった速達性重視の列車などが利用し、前方の列車につかえることがめったにない。ここからスピードを出し、18時55分に北越谷に着く。ここで複々線は終わるものの、列車の本数自体が少なくなるため特急並みの高速運転自体は可能だ。

 せんげん台・春日部・東武動物公園と停車し、19時21分に久喜に着く。ここまで利用した人は結構多かった。時刻表通りだと19時19分なので、2分遅れたことになる。ここで浅草からの特急「りょうもう」37号に接続し、赤城まで向かうことができる。

 コロナ禍という状況の中、まだまだ利用者は少ないものの、遠距離通勤客への着席確保という目的は果たせている。また、特急との接続で、さらに遠距離の利用者にも対応している。

 日比谷線内では高速運転ができないものの、北千住を出ると速度を上げ、速達性に寄与している。期待の大きい列車となるだろう。

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