コロナ禍で、副業の時代がようやくやってくる:スキルを正当に「売る」(2/3 ページ)
各社がリモートワークの推進を進めているが、同時に、労働時間の短縮の流れも高まってきた。そこで、俄然注目されるのは副業だ。副業と言っても、単なる空き時間の時間給の肉体労働だけではない。むしろ、自らのスキルを正当に「売る」、「複業」と言うべき働き方だ。
実際にどういう人材を求めているのだろうか。
よく聞くのは、業務のデジタルシフトやデジタルマーケティングなど、いわゆる企業のDX化にむけたプロジェクトへの人材確保だ。こうした知識に長けた専門家をプロジェクトの一員に迎えたいと思う企業は多いはず。
しかし、多くの中小企業にとっては、プロ人材の採用は副業とはいえ、ハードルは高い。いくら仕事ができるとはいえ、同年齢の社員に対して倍の日給や週給を払うのは簡単ではないだろう。
現実を考えれば、成果にもっとも差が生まれるのは、営業系のスタッフかもしれない。
8:2の法則を考えれば、8割の営業スタッフは、2割の売上しかあげておらず、こうしたスタッフが倍の売上をあげてくれれば、倍の報酬はなんら問題ない。
特に、ベンチャー系やスタートアップ系の企業では、営業ノウハウの蓄積のないところも多く、大企業で営業として鍛えられてきた強者にとっては、ビジネスチャンスは相当ころがっているだろう。
働く側の意識も大きく変わった。これまで、会社に出勤し、皆で仕事をすることを習慣化していると、さほど自分が仕事をしているという意識が少なかったのが、今回の在宅ワークで、自分の力によって仕事ができるという意識が高まったことは間違いない。また、自宅での仕事でも何ら問題ないと手応えをつかんだ人も少なからずいる。
実際の調査結果を見ても、コロナ後、副業について意識が変わり、副業をやりたいと思う人も増えているようだ。副業をしたい人と企業を結びつけるマッチングサービスの登録者数は、大きく伸びているという。
だいたい、企業は国や自治体から働き方を決められ、労働者は犠牲になるばかりというのは、あまりにバカらしい話だ。本来は、労働者と企業は対等のはず。働き方は、自ら選ぶのが正しい。
あくまで、コストダウンしか頭にないような企業の論理に乗せられてしまうのは最悪だが、リモートワークやワークシェリングなどによって増えた可処分時間をいかに使うかは、個人にゆだねられている。
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