ロックダウン下のアメリカで、「ニッチSNS」が静かなブーム:「仲間意識」を追求(2/2 ページ)
ロックダウン下のアメリカで、ちょっとした異変が起きている。よりディープで親密な体験を提供するニッチSNSに注目が集まっているのだ。
ゲームを主体としたソーシャルネットワークのディスコード(Discord)のコロナクライシス以降の新規登録率は200%アップ、そのチャットサービスの利用もロックダウン以降50%増加している。利用者の約半数が一日4時間以上を費やすという。
ディスコードの3億人のユーザーはゲームをプレイするためだけにそのプラットフォームに来るのではない。招待制オンリーのグループ機能も存在するが、ペットや政治、アニメ、電子マネーなど多種多用なテーマのグループが存在し、趣味や関心を共有するユーザーが会話に花を咲かせている。
ニッチSNSの主要収益源は広告、そしてユーザーから徴収する会費である。例えばビール愛好家のソーシャルアプリであるアンタップト(Untapped)は、バーや醸造所やその他ビール関連の業者の広告を掲載し、その広告料で運営を賄っている。ロックダウン以降には、アルコール宅配業者からの広告問い合わせが急増しているという。
ゆっくり走りたい人のためのマラソントレーニングアプリ「スロー・エイ・エフ・ラン・クラブ(Slow AF Run Club)」は、ユーザーの利用レベルによって月5ドルから50ドルまでの会費を徴収している。また、オリジナルTシャツなどのアパレルを販売することにより運営費を賄っている。これらのニッチSNSが目指すのは「共通の趣味や関心を軸にユーザーが安心して集うことのできる聖域」である。万人に愛される必要はない。「安心」「安全」「仲間意識」を追求するニッチSNSの時代が到来している。(石塚 しのぶ)
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