コロナ禍で企業の情報発信が大きく変わった。足りないものは?:明らかに(3/3 ページ)
映像コンテンツやドキュメントによるコンテンツの表現、発信が増大しているわけだが、周囲の企業を見る限り、明らかな編集機能の不足という状況が起こっている。
そして最後に、伝えるための工夫、演出だ。通常、編集力といえば、この部分のことを指すことが多いが、情報収集と情報の選別があっての編集ということを忘れてはならない。
伝えるための工夫、演出とひとことで言っても、2つのプロセスがある。ひとつは、論理的な組み立て力、構成力というべきスキルだ。
ストーリーづくりともいえるこのスキルは、映像、講演、ドキュメント、いずれの媒体においても欠かせない要素。この能力を磨くには、やはり、さまざまなメディアの作品に触れて、引き出しを増やすのが重要だ。
また、レベルは上がるが、見せ方、スタイルにもこだわりたい。映像であれば、講演スタイルだけではなく、対談、インタビュー、パネル、ドキュメンタリータイプ、あるいは、アニメーションなど、様々な方法を検討すべきだし、ドキュメントにしても同様だ。
もうひとつは、実際の表現力の部分。情報を伝える際には、基本的に、実写、グラフ、文字、音声で構成されるわけだが、適切な方法を選択することはもちろん、自分なりの得意技を磨いておくことも必要だ。文章が得意な人は、文章力を磨くべきだし、話すのが得意というなら、話し方を磨けば、Web配信での機会は増える。デザインや絵心も同様だ。
編集力は、すべてのビジネスパーソンが身につけるべき能力だ。誰でも検索さえすれば、情報に触れることができる。何を選び、何を捨て、どう表現するか、このスキルの差によって、相手のエンゲージメントが変わるのは間違いない。
これからのWithコロナ時代、マーケティング担当者は、ますます編集力が問われていくのだろう。(猪口 真)
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