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「孫正義氏はアリババへの投資で運を使い切った」中国メディアが分析するソフトバンク低迷の要因浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(3/3 ページ)

ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長が6月25日、中国EC最大手のアリババの取締役退任を表明した。5月にはアリババ創業者のジャック・マー氏が、SBGの取締役を退くと発表。一方SBGは、2020年3月期の連結決算で過去最大の最終赤字を計上しており、中国メディアでは「孫氏はアリババへの投資で運を使い果たした」という辛辣な分析も出ている。

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7〜8年で「次のアリババ」発掘は現実的なのか

 孫氏は今後も、中国の有力ベンチャーに投資を続けるだろう。5月には日本でソフトバンクと合弁企業を運営する配車サービス「滴滴出行(DiDi Chuxing)」の自動運転子会社が、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2号から5億ドルを調達した。

 孫氏は株主総会で、アリババの取締役退任について、「私とジャックの退任は(ジャックの後任である)ダニエル(ダニエル・チャン、張勇会長)に対する信任だ」とも語った。実際、現在55歳のマー氏は13年にアリババCEOを退任し、後継者の育成を進め、計画通りにきれいさっぱり身を引いた。

 一方、孫氏は株主総会で自身の進退を問われ、「あと7〜8年は元気に続ける」と答えた。それまでに「次のアリババ」を掘り当て、育てられるのか。アリババが大きくなりすぎたからこそ、中国では懐疑的な声の方が多い。

筆者:浦上 早苗

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育などを行う。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。帰国して日本語教師と通訳案内士の資格も取得。
最新刊は、「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。twitter:sanadi37

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