足場を「20センチ」高くしただけで、なぜ売り上げがどんどん伸びたのか:水曜インタビュー劇場(190センチ公演)(5/5 ページ)
工事現場などで使われる「足場」、その高さをご存じだろうか。主流は170センチ。日本人の平均身長は170センチを超えているのに、なぜその高さなのか。大阪に拠点を置く「タカミヤ」が高さ190センチの足場を開発したところ、現場では……。
その昔、足場は丸太だった
土肥: 最後の質問です。昭和50年代の話になるのですが、当時、足場といえば「木の丸太」が多かったのではないでしょうか? 子どものころ「大工さんが丸太の上で作業をしているなあ」といった記憶があるのですが、その後、鋼製のモノが増えていき、いまでは丸太を見ることがほとんどない。耐久性などに問題があって、使用禁止になったのでしょうか?
庄崎: いえ、そうではありません。厚生労働省が定めている規則で、いまでも丸太は使えるんですよね。使ってもいいのですが、多くの会社が使っていない。なぜか。やはり、事故が多いんです。私も若いころに丸太の上で作業をしていて、落ちたことがありました。
土肥: えっ! だ、大丈夫だったのでしょうか?
庄崎: 高さ3階のところから落ちたのですが、たまたま下にセメント用の砂が大量に敷き詰めてあったので、なんとか無事でした。丸太の場合、雨が降るとすべりやすい。また何年か使っていると、簡単に折れてしまう。こうしたリスクがあるので、いま丸太を使っているところはほとんどありません。
ま、このように話をしていますが、手すりがなかったり、足元がすべりやすかったり、不安定な足場は本当に怖いんですよ。例えば、高さ40メートルほどの高さで作業すれば、どうなるか。風が吹けば、カラダをあおられてしまう。ということもあるので、安全に対する基準はどんどん厳しくなっていて、メーカーとしてもそこはきちんと守っていかなければいけません。
土肥: これまで足場を見たことは何度もありますが、じっくり観察したことはありませんでした。この取材で現物を見せてもらいましたが、パッと見て、高さ170センチのモノか190センチのモノか違いがよく分からずでして(汗)。素人が見て、「あ、これは新しい足場だな」と簡単に見分けられるポイントはありますか?
庄崎: うーん、それは難しいかも。中に入ってもらうしかないですね(編集部注:関係者以外、入ることはできません)。
(終わり)
書籍&CDが出ました!
ITmedia ビジネスオンラインの連載をまとめた書籍『バカ売れ法則大全』(行列研究所/SBクリエイティブ)が発売されました。本連載「水曜インタビュー劇場」の人気記事をピックアップして、大幅に加筆。また弊誌では掲載していない記事もご紹介しています。また、本連載をまとめた『ササる戦略』(三才ブックス)も発売していますので、合わせてどうぞ。
さらに、水曜インタビュー劇場のMCを務める土肥義則のCDが発売されました。「全国経営者セミナー」での講演を収録していますので、ぜひビジネスのヒントに!
関連記事
- えっ、盗まれないの? 無人の古本屋は、なぜ営業を続けられるのか
東京の三鷹駅から徒歩15分ほどのところに、無人の古本屋がある。広さ2坪のところに、500冊ほどの本が並んでいるだけ。「誰もいなかったら、本が盗まれるのでは?」と思われたかもしれないが、実際はどうなのか。オーナーに話を聞いたところ……。 - これって「ヒシタンク」って言うの? 街中にある受水槽のプラモが話題
「ヒシンタク」という受水槽をご存じだろうか。業界シェアトップの三菱ケミカルインフラテックが「ヒシタンクのプラモデル」をつくったところ、ネット上で話題に。同社の担当者に、その狙いを聞いたところ……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - 6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
6畳弱の狭い物件が人気を集めていることをご存じだろうか。物件名は「QUQURI(ククリ)」。運営をしているピリタスの社長に、その理由を聞いたところ……。 - なぜ駅ナカで鼻毛を抜こうと思ったのか 「3分 1000円」の世界
駅ナカで鼻毛脱毛を行っている店が、ちょっと話題になっている。店名は「ekibana(エキバナ)」。3分1000円で鼻毛を抜いてくれるこの店は、どのような特徴があるのか。話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.