コロナ禍で「おじさん労働者」が不利な状況に? 本当か:仕事をしているフリ(2/3 ページ)
おじさん社員が不利な立場に立たされている。コロナ禍で、テレワークができていないとか、ネットをうまく活用できないとか。このままでは「大量の中高年リストラが起きるだろう」といった声が出ているが、本当にそうなのか。
そういう若い人たちは、仕事をするのが、職場であろうが自宅であろうが実はあまり関係ない。事務職であれば特にそうだ。ネットにつながるPCさえあれば、事務処理業務を行うだけであれば関係ない。今の営業職にしても、信頼関係さえまともなら、無理に訪問する必要は、さほどない。通勤電車に乗らなくていいのだから、これほどラッキーなことはないだろう。
確かに、残業代は減るかもしれないが、いやな上司の顔を見ずに済むのだからこれほどうれしいことはないだろう。しかも、結果にしても「在宅ですから」の言い訳も立つ。
ところが、おっさんに問われているセルフマネジメント力は、こういう話ではない。
本当の意味でのセルフマネジメント力だ。
管理職が求められるセルフマネジメント力とは、仕事をするかどうかの話ではなく、この事態のなかで、どう仕事を組み立て、数字をつくるかというセルフマネジメント力だ。これまで、部下から上がってくるものに多少色をつけ、上に出すだけでよかった仕事が、まったく変わったのだ。これまでは、ルーティンワークと化していたマネジメントワークだったのだが、自分で数字を予測し、つくる必要が出てきた。そして、目標値も自分でつくる必要が出てきたから大変だ。しかも部下にはそのスキルなど到底ない。
そこに気づかず、部下と同じような視線のまま、仕事が来るのを待ってしまっている人が、「おっさん、要らない」と言われている。
このコロナ禍で、仕事ができる人とできないひとが、よりはっきりとわかるようになったと言われるが、それは、その仕事の中身の話が抜け落ちている。
そもそも、仕事は、その仕事自体をつくりだす人、そしてその仕事の処理をする人にわかれる。仕事をつくることと処理することはまったく異なる。これまで会社のなかで、なんとなく仕事をしているように見えていた人たち、つまり、このどちらの仕事に対しても中途半端だった人の居場所がなくなってしまった。テレワークのなかでは、その仕事は要らないからだ。
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