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吉野家が牛丼弁当をドラッグストアで実験販売 冷凍牛丼は絶好調:内食・中食需要の取り込み
吉野家が中食・中食需要の取り組みを強化している。コロナ禍で冷凍牛丼の売り上げが急激に増えている。中食需要を取り込むために牛丼弁当をドラッグストアで実験的に販売している。
吉野家が内食・中食需要の取り込みを強化している。
3〜5月、冷凍食品の売り上げは対前年比150%近くと好調な結果となった。特に、1991年から販売している冷凍牛丼はこの期間だけで700万食以上売れたという。冷凍牛丼などを取り扱っている「吉野家公式通販ショップ」では、新型コロナの影響で注文が大幅に増えたことから出荷遅延が発生している。一方、4月以降のテークアウトやデリバリーの売り上げも、持ち帰り商品の割引施策などを実施したことから、大きく伸長している。
吉野家はこういったトレンドを踏まえ、新たな需要獲得のためチルド弁当の開発に着手している。吉野家ホールディングスの広報担当者によると「店舗が近くにない方にもチルド弁当ならお届けすることができるのではないか? といった思想でスタートした段階」だという。
一方、新たな販路を開拓する取り組みも始めている。6月から東京都内のドラッグストア4店舗で、牛丼弁当を実験的に販売しているという。吉野家の店舗で牛丼の具とご飯を別々にして容器に入れ、ドラッグストアに卸している。中食需要を取り込むための実験で、吉野家としては初めての取り組みだ。
普段使いされている大手牛丼チェーンは、居酒屋などと比べると新型コロナの影響は受けていない。しかし、コロナ禍は長引くことが予想されることから、店舗以外での売り上げを増やす取り組みは避けて通れないようだ。
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