そろそろ「旅行だから、学校休みます」を認めませんか? 戦後最悪GDPから脱するために:スピン経済の歩き方(3/6 ページ)
新型コロナの感染拡大に伴い、日本経済が大ダメージを受けている。4〜6月期の実質GDPは、戦後最悪の年率27.8%減。このままだと7〜9月期も大変なことになりそうだが、筆者の窪田氏は「旅行を理由に学校を休む自由」を認めるべきだという。どういう意味かというと……。
レジャーや観光でお金を落とす機会
これが「親の休日と学校の休日が重ならない」という問題を示唆していることは、『女性セブン』(小学館)が2018年に読者を対象に行ったアンケート結果を見ても、明らかだ。「学校を休ませて旅行に行く」という考え方に対し、「賛成」が40.2%、「反対」が59.8%。これは裏を返せば、日本の1100万世帯の大多数にとって、「旅行」は自分たちの好きなタイミングで行けるものではなく、「学校が休日」のみに行くことを許された娯楽だということである。
「子どもが学校をズル休みせず通うのは当たり前だろ!」というお叱りが飛んできそうだが、そんな「当たり前」が日本の個人消費の足を引っ張ってきたことは紛れもない事実だ。
学校が休みの時期にしかレジャーや旅行が許されないとなると、当然、観光地やホテルは同じタイミングで大混雑となる。一方、観光業者としては学校のある時期は閑散期なので、ここぞとばかりに稼がないといけない。これがファミリーが押しかけるシーズンに宿泊費などがドカンと上がるカラクリだ。
そうなると、割高感や混雑を嫌がって控える人たちも出てきてしまう。これは学校がボトルネックとなって、本音としてはレジャーや観光に行きたかった人たちの消費意欲をそいでいると言っていい。また、サービス業などで土日や夏休みを取得できない家庭の場合、なかなかレジャーや旅行にいけない問題もある。親が子どものためにレジャーや観光でお金を落とす機会を学校が奪ってしまっているのだ。
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