ジョブ型への移行、オフィス半減 富士通・平松常務に聞く「真のDX企業へと脱皮する要点」:アフターコロナ 仕事はこう変わる(2/5 ページ)
富士通は、グループ会社を含めたオフィススペースを3年間で半減させる。同時にこれまでの年功序列型から、業務内容を明確に定めた「ジョブ型雇用」に移行させる。デジタルトランスフォーメーション(DX)を率先して実行する富士通で今何が起きているのか。同社の総務、人事の責任者を務める平松浩樹常務にインタビューした。
「入社何年目研修」は取りやめ
――コロナ禍の長期化によって新入社員に対面で研修などができなくなっている。
私たちの時代には合宿などをしていたが、コロナ禍でそうしたことが不可能になった。そこで約800人の新入社員が社内SNSに動画付きの自己PRを書き込み、その一部に時田社長がコメントする企画を実施した。コミュニケーションを図ってほしかった。職場での人間関係も早期に作ってもらいたいので、上司との1対1ミーティングを勧めている。
オンラインの弱点は、人間関係作りが難しいこと。新人には最初のうちはできるだけリアルの仕事を増やそうと思っている。いろいろな場を使って職場の雰囲気やチームのカルチャーを早くつかんでほしい。
いままで実施していた「入社何年目研修」という強制的な研修は取りやめ、教育制度も変えた。代わりにスキルアップをしたい幹部社員には推奨している動画プログラムなどを使って自発的に勉強してもらう。勉強した履歴は会社側にも見えるようになっている。
――テレワークで大半の仕事ができるのなら、サラリーマンにとって苦痛だった単身赴任はなくなるのではないか。
どのくらい単身赴任が減るかは読めていない。だが、単身赴任での仕事内容をみてみると、解消できるものもあると考えている。これからは、単身赴任をする前に本当に必要かどうかを考えてから決めるようにしていく。そうすれば地方のチーム編成も変わってくる。
地方での仕事はわざわざ単身赴任をしなくても、自宅からのテレワークと、必要不可欠なときの出張とを組み合わせれば乗り切れる可能性が出てくる。これについては北関東や九州の地方自治体から問い合わせも来ている。「東京一極集中」の傾向にも変化が生まれるかもしれない。
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