門外不出の「編集マニュアル」には、何が書かれているのか 累計1000万部を売った話:水曜インタビュー劇場(再現性公演)(7/7 ページ)
「本がなかなか売れない」――。耳にタコができるほど聞き飽きた話だろうが、そんな中でもヒットを連発している編集者がいる。アスコムの柿内尚文さんだ。なぜ、彼が担当した本は売れるのか。その秘密に迫ったところ……。
ヒットとは「無意識の発見×その人数」
土肥: 本日は成功と失敗の話を聞きましたが、柿内さんが大切にしていることは再現させること。成功したときも失敗したときも、なぜそうした結果を生んだのか。その要因をさまざまな角度から分析することで、次につなげていますよね。
柿内: 私は50歳を超えているので、女子高校生のニーズをつかむのは難しい。ただ、自分がこれまでやってきた領域については、ある程度のことは理解できるようになってきました。そうした人たちの心の中にどういったものがあるのか、潜在意識の中にどういったものがあるのか。人の心の中にある「見えない心理」を見つけ出し、それを言語化することが大切だと思っています。
そのことを「正体探し」と呼んでいて、無意識だったものを見えるものにつくり変えたとき、「自分のためのものだ!」と思われ、ヒットにつながる可能性が高まります。このように考えると、ヒットとは「無意識の発見×その人数」とも言えますよね。
土肥: 今後も編集者として、無意識を発見させる書籍を出していきたいと思っているのでしょうか?
柿内: おもしろいことを考えて、それを実行したら、たくさんの人が喜んでくれる――。こうしたことを感じながら、編集者として生きていきたいですね。
(終わり)
書籍&CDが出ました!
ITmedia ビジネスオンラインの連載をまとめた書籍『バカ売れ法則大全』(行列研究所/SBクリエイティブ)が発売されました。本連載「水曜インタビュー劇場」の人気記事をピックアップして、大幅に加筆。また弊誌では掲載していない記事もご紹介しています。また、本連載をまとめた『ササる戦略』(三才ブックス)も発売していますので、合わせてどうぞ。
さらに、水曜インタビュー劇場のMCを務める土肥義則のCDが発売されました。「全国経営者セミナー」での講演を収録していますので、ぜひビジネスのヒントに!
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