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J-WAVEが初の飲食事業 高輪ゲートウェイ駅前で仕掛ける「コロナ禍の一歩先」日本酒・料理・音楽でつながり合える場に(1/3 ページ)

JR山手線の高輪ゲートウェイ駅前に、期間限定でオープンしたレストラン「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」。このイベントを仕掛けるのは、FMラジオ放送局のJ-WAVE。本格的な食のイベントは初めてだという。コロナ禍で始まったイベントの舞台裏を聞いた。

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 JR山手線の高輪ゲートウェイ駅前に、期間限定でオープンしたレストラン「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」。サッカー元日本代表の中田英寿氏がディレクターを務め、全国の銘酒と高級レストランの料理を提供する。

 会場は大きなホールで、新型コロナウイルス対策もあり客席は100席とゆったりとした空間だ。国内外の短編映画も上映するほか、中田氏が日本各地を旅して見つけた工芸品などを販売するショップも開設されていることは前編記事でもレポートした通りだ。

 このイベントを仕掛けるのは、FMラジオ放送局のJ-WAVE。これまでも多くのイベントを手掛けてきた一方、本格的な食のイベントは初めてだという。

 当初は駅の開業にあわせて3月にオープンする予定だったものの、延期を余儀なくされた。新型コロナ対策を十分に練った上で7月14日にようやくオープン。営業的には厳しい中での開催になった一方で、「不自由な部分があっても、つながりあえて希望が見える場にしたい」とJ-WAVEの担当者は話す。コロナ禍で始まったイベントの舞台裏を聞いた。

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「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」の支配人を務めるJ-WAVEコンテンツマーケティング局の久保野永靖エグゼクティブプロデューサー(以下、撮影:山本宏樹)

J-WAVEの番組で情報発信

 「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」のオープンを控えた7月、会場には中田英寿氏の姿があった。会場のシンボルともいえる高さ7メートルの「SAKE TOWER」を囲むように作られたカウンターで、自身がパーソナリティーを務めるJ-WAVEの番組「VOICES FROM NIHONMONO」を収録していた。

 2019年4月にスタートしたこの番組は、中田氏が日本全国の文化、伝統、食の数々を探す旅の模様を伝えている。「NIHONMONO」とは日本が世界に誇る“本物”と、その作り手である“本者”のこと。「NIHONMONO LOUNGE」は、中田氏の活動と番組のコンセプトを形にしたイベントといえる。

 この日の収録は、7月18日に放送された。ゲストにミュージシャンのMs.OOJA氏とEXILE、EXILE THE SECONDの橘ケンチ氏を迎え、中田氏とナビゲーターのレイチェル・チャン氏の4人が、会場で味わえる料理と日本酒を紹介しながら、それぞれの「NIHONMONO」について語りあっていた。

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会場のシンボルともいえる高さ7メートルの「SAKE TOWER」

当初よりも4カ月遅れのオープン

 「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」は、JR東日本が高輪ゲートウェイ駅と直結する形で開設した「Takanawa Gateway Fest」(以下、Fest)の一角にある。

 Festでは東京2020ライブサイトや、東京2020ビーチバレーボール日本代表チーム決定戦など、さまざまなイベントが予定されていた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、その他のイベントも開催できなくなった。

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JR山手線の新駅・高輪ゲートウェイ駅前

 もともとFest自体、3月から9月までの期間限定イベントだった。終了後には会場は撤去され、新たなまちづくりの建設工事に入る。世界中から多くの企業や人々が集い、新たなビジネスや文化が生まれる国際的な交流拠点づくりを目指すという。JR東日本の担当者は、将来のまちづくりを知ってもらうこともFestの目的だと説明する。

 「この場所には2024年に新しい街ができる予定です。当初は駅が開業してから半年間イベントを開催して、日本全国、海外からのお客さまを迎える予定でした。イベントのスタートが延期となって、開催日数は55日間となりましたが、新しい街への期待感を体現したいと考えています」(JR東日本総合企画本部 萩原彰一次長)

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JR東日本総合企画本部 萩原彰一次長

 J-WAVEが「NIHONMONO LOUNGE」の準備を進めてきたのは2年前から。しかし、当初の予定とは大きく異なる形で営業している。レストランの席数は、計画していた196席から間隔をあけることで約半分の100席に絞った。テーブルには飛沫防止のパーテーションを設置し、会場の至るところに消毒液も用意。事前予約制にして、入場者には検温も実施している。

 支配人を務めるJ-WAVEコンテンツマーケティング局の久保野永靖エグゼクティブプロデューサーは、予定とは違う形になったものの、オープンにこぎ着けたことに安堵の表情を見せた。

 「新型コロナの対策には、最大限の努力を払いました。客席が半分になり、なかなか営業的には厳しいですが、リスナーにもずっと待ってもらっていましたので、オープンできたことはうれしいですね。新しい街づくりの最初のイベントに参加していることにも、大きな意義を感じています」

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中田英寿さんが全国を巡る旅の中で出会った工芸品など日本の魅力を集めたショップ「NIHONMONO TOKYO」
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