オンラインで行う会社説明会の上手な進め方:人・お金の余裕がなくてもOK(1/4 ページ)
新型コロナウイルス感染症の影響により、採用市場ではオンラインでの会社説明会が広がっています。中小企業がオンライン説明会を導入・運用する際のポイントを解説します。
新型コロナウイルス感染症の影響により、採用市場ではオンラインでの会社説明会が広がっています。中小企業がオンライン説明会を導入・運用する際のポイントを解説します。
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本記事は、2020年8月号に掲載された「オンラインで行なう会社説明会の上手な進め方」(著者:伊達洋駆)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集し、転載したものです。
新型コロナウイルス感染症が広がるなか、対面での接触が制限されるようになりました。採用活動もその影響を受けて、従来は会議室などの会場で開催されてきた会社説明会をオンラインで行う動きが出ています。
オンラインの会社説明会(以下、「Web説明会」といいます)をめぐっては、「効果的な実施方法が分からない」と困惑する人事担当者も多いようです。そこで本稿では、Web説明会の種類とそのメリット・デメリット、説明会のオンライン化で起こる課題と対策、Web説明会を行ううえでのポイントについて解説します。
なお本稿は、採用の(人的・金銭的)リソースに余裕がなく、また、求職者にあらかじめ自社のことを知ってもらえていない企業の人事担当者を読者として想定しています。その種の企業では、Web説明会の設計・実施に一層の工夫が求められることとなります。
Web説明会の種類とメリット・デメリット
Web説明会と一口に言っても、「ライブ配信」「録画配信」という2つの種類があります。
ライブ配信はリアルタイムで実施する説明会で、事前に収録した動画を求職者が閲覧するのが録画配信です。ライブ配信と録画配信には、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。
ライブ配信のメリットは、求職者からの質問に答えるなど、双方向のやりとりが可能になることです。しかし、企業にとっては配信トラブルが発生し得る点がデメリットとなります。
対して、録画配信のメリットは、動画を撮り直したり編集したりできる点にあります。求職者も好きな時間に視聴でき、気になる箇所を見返すこともできます。しかし、ライブ配信と違って、求職者がその場で企業に質問することはできません。新たな情報を加えようとすると、撮影し直す必要があるのもデメリットです。
従って、双方向性を求めるならライブ配信、内容を手軽に見てもらいたいなら録画配信といった使い分けが考えられます。限られたリソースを有効活用するうえで、Web説明会の開催目的を明確にし、目的に合ったタイプを選ぶことが大事です。
オンライン化で起こることとその対策
会社説明会は対人コミュニケーションの一種ですが、コミュニケーションのオンライン化については多くの研究が積み重ねられています。それらの研究知見を参考に、会社説明会のオンライン化によって何が起こるのかを見ていきましょう(図表1)。
(1)非言語的手掛かりが減る
コミュニケーションをオンライン化すると「非言語的手掛かり」が減少します。
非言語的手掛かりとは、ジェスチャー、アイコンタクト、身体的距離、ボディータッチ、におい、表情など、言葉以外の情報を意味します。
対面コミュニケーションでは言葉だけではなく、非言語的手掛かりもフルに用いることができます。一方、オンラインコミュニケーションでは、通信や機器の制約で、非言語的手掛かりが十分に得られません。
「Web会議」を実施する際、「会話がぶつかる」と感じる人も多いのではないでしょうか。これは普段、話者交代のサインとして利用されるアイコンタクトが、Web会議では確認しにくいことによります。アイコンタクトは非言語的手掛かりの一種です。
(2)感情ではなく情報を伝える
オンライン化の影響で非言語的手掛かりが減少すると、何が起こるのでしょうか。
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