3年で売上2倍に! ミズノのワークビジネスが、伸びている理由:水曜インタビュー劇場(現場公演)(2/6 ページ)
ミズノの「ワークビジネス」が伸びている。売り上げを見ると、直近3年間で2倍の規模に。ミズノと言えば「スポーツメーカー」のイメージが強いのに、なぜこの分野にチカラを入れているのか。担当者に話を聞いた。
ワークシューズの開発は難航
土肥: 「ミズノ」といえば、「ザ・スポーツメーカー」なわけですが、ワーク事業も手掛けていたのですね。ちょっと調べたところ、実は1997年から始めているそうで。スポーツ用品の開発で培った技術や知見を活用し、企業のユニホームをつくっていて、これまで500社以上に納品しているとか。
ただ、当初は小さく小さく展開していて、本格的に始めたのは2016年から。その年にワークシューズを発売し、3年後の19年には「ワークビジネス事業部」を立ち上げて、担当者も増員。売り上げはどうなっているのかというと、直近3年で2倍に。成長率は年々高まっていて、21年度には売上目標100億円を掲げていますよね。
こうした数字を知って「勢いがあるなあ」と感じていたところ、ふとテレビを見ていると、大阪府の吉村洋文知事が記者会見のときに、ミズノのロゴがどーんと入ったポロシャツを着ていました。これもワークビジネスのひとつだと思うのですが、そもそもどういったきっかけで本格的にこの事業に参入することになったのでしょうか?
石田: 本業であるスポーツビジネスはそれなりに順調に成長していましたが、少子高齢化を迎えることもあって、社内から「なにかしなければいけない」という話がありました。当社はホームセンターさんとも取引があって、売り場をみると、ワークシューズが並んでいる。スポーツメーカーが開発した靴も販売されていたので、「ウチもこの分野にチャレンジしてみてはどうだろうか」といった話になりました。
スポーツシューズはつくっていたので、「ワークシューズも簡単にできるだろう」と思っていたんですよね。しかし、これは勘違いであることが分かってきました。スポーツシューズの場合、その競技に順応させなければいけません。短距離走用の靴であれば0.1秒でも速く走れるように機能性を高めていくわけですが、ワークシューズは違う。 足先のケガを防ぐために、先端に「先芯(さきしん)」という硬いパーツを入れなければいけません。これを入れるのが、ものすごく難しかったんですよね。
土肥: えっ、そうなのですか? 素人の意見ですが、靴の先っちょに鉄の塊のようなモノを入れれば“一丁上がり”だと思っていました。
関連記事
- 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - 店内は客が少ないのに25年連続増収 西松屋がコロナ禍でも絶好調の理由
コロナ禍でも業績好調の西松屋チェーン。店内は客が少ないのに、なぜ成長を続けられるのか。同社の“非常識経営”に迫る。 - 行列ができた「ワークマンプラス」、その後どうなったのか?
カジュアルウェアの新業態「ワークマンプラス」が好調である。2018年9月にオープンしたところ、レジに行列ができて、入場制限をかけることも。日本中に旋風を巻き起こしたわけだが、その後はどうなったのか。同社に取材したところ……。 - えっ、盗まれないの? 無人の古本屋は、なぜ営業を続けられるのか
東京の三鷹駅から徒歩15分ほどのところに、無人の古本屋がある。広さ2坪のところに、500冊ほどの本が並んでいるだけ。「誰もいなかったら、本が盗まれるのでは?」と思われたかもしれないが、実際はどうなのか。オーナーに話を聞いたところ……。 - なぜ「スーツみたいな作業着」をつくって、しかも売れているのか
スーツのような作業着「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」が売れている。製造しているのはアパレルメーカーでもなく、作業着メーカーでもない。水道工事などを行っている会社がつくったわけだが、なぜこのような商品を開発したのか。その狙いを聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.