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発注にかかる時間を3割削減 AIがカップ麺や冷食の需要予測、イトーヨーカドーが導入:全国132店舗で
イトーヨーカドーが、全国132店舗でAIを活用した商品発注システムの運用を始めた。店舗の発注担当者は、AIが予測したデータに基づき、発注の判断を行う。
イトーヨーカドーは9月1日、全国132店舗でAIを活用した商品発注システムの運用を始めた。発注の対象商品は、カップ麺や菓子などの加工食品、冷凍食品、アイス、牛乳など約8000品目。店舗の発注担当者は、AIシステムが予測したデータに基づき、発注の判断を行う。
AIが分析するのは、価格や商品陳列の列数、気温・降水確率などの天候情報、曜日特性や客数など。これらを用いて販売数を予測し、発注者に提案する。
イトーヨーカドーでは、2018年春からAIシステムを用いたテスト店舗を運営。店舗担当者が発注作業にかける時間を平均約3割短縮できたという。営業時間中、商品の在庫がなくなるのを防ぐ効果も確認できたといい、機会損失を抑えられるとしている。
従来、発注業務にかかっていた時間は、接客業務や売り場づくりに充てる。従業員への業務不可を減らし、顧客満足度も上げる狙いがある。
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