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中国は空前の猫ブーム。中国ネコノミクスが生んだ、利回り10%の「エア猫投資詐欺」浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(1/5 ページ)

猫による経済効果は、日本では2016年に2兆円超との試算があったが、中国は空前の猫ブームで、日本よりはるかに大きな中国版ネコノミクスが形成されている。猫SNSや猫ゲーム、デジタルコンテンツ市場に加え、今年8月には大規模な「エア猫投資詐欺」が発生。今回は、この投資詐欺の全貌と背景をお伝えしたい。

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 2016年初め、日本では猫がもたらす年間経済効果が2兆円を超えるという試算が公表され、造語「ネコノミクス(Wikipedia)」が話題になった。中国の都市部でも同じ頃に猫ブームが起き、日本よりはるかに大きな中国版ネコノミクスが形成されている。猫SNSに猫ゲームと、デジタルコンテンツ市場も膨らみ、今年8月には大規模な「エア猫投資詐欺」が発生した。


中国は空前の猫ブーム。18年時点で、猫関連消費はすでに1000億元(約1兆6000億円)を上回っていた(写真提供:ゲッティイメージズ)

仮想猫転売で利回り10%

 8月12日、仮想猫を育てて転売するアプリ「喵喵」(「にゃーにゃ―」という意味)が突然接続できなくなった。運営企業は「メンテナンス中」と説明したが、次第に問い合わせに応じなくなり、姿を消した。その後、同社が運営していた別のアプリも同じ日に接続不能になったことが判明した。

 中国の警察当局は今月に入り、喵喵の実態が投資詐欺アプリだったと公表し、注意を呼びかけた。


南寧市の警察当局は猫交配アプリをかたった投資詐欺について注意を呼び掛けた(警察当局のウェイボより)
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