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中国は空前の猫ブーム。中国ネコノミクスが生んだ、利回り10%の「エア猫投資詐欺」:浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(5/5 ページ)
猫による経済効果は、日本では2016年に2兆円超との試算があったが、中国は空前の猫ブームで、日本よりはるかに大きな中国版ネコノミクスが形成されている。猫SNSや猫ゲーム、デジタルコンテンツ市場に加え、今年8月には大規模な「エア猫投資詐欺」が発生。今回は、この投資詐欺の全貌と背景をお伝えしたい。
逮捕難しいサイバー犯罪
中国では政府肝いりの施策である「ブロックチェーン」をうたった投資詐欺と注意喚起、摘発のいたちごっこは今に至るまで続いている。警察は猫交配アプリ「喵喵」がブロックチェーンを使っているとは明言していないが、加害者・被害者双方ともクリプトキティに着想を得ている可能性が高く、猫+ブロックチェーン+投資というバズワードを組み合わせた詐欺と見られる。
なお、デジタル空間の投資詐欺の多くは個人を標的としており、被害者の数が多く、全土に散らばっているため、全容の把握が難しく、犯人も捕まらないことがほとんどだ。喵喵の犯人も今のところ特定されていない。
中国のネコノミクスは、劣悪な環境でのペットの飼育や交配、縛って段ボールに入れるなど虐待に近い配送など、現実世界でも倫理に欠ける行為が度々問題になっている。急膨張とそれに伴うひずみが、猫の世界にも押し寄せているのだ。
筆者:浦上 早苗
早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育などを行う。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。帰国して日本語教師と通訳案内士の資格も取得。
最新刊は、「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。twitter:sanadi37。
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