巷で“スーツ離れ”が起きているのに、なぜビジネスリュックは好調なのか:水曜インタビュー劇場(在宅公演)(5/5 ページ)
テレワークを実施する企業が増えたので、オフィスに足を運ぶ人が減った。となると、スーツを着ることが少なくなり、革靴を履かなくなり、カバンも不要になり……。などと想像してしまうが、ビジネスリュックは好調に売れているという。その背景に迫ってみたところ……。
ビジネスリュックの需要
土肥: 今後もビジネスリュックの需要は継続しそうですか?
森川: 満員電車を避けたいということで、自転車通勤を始めた人も増えてきました。また、外食を避けて、お弁当を持参する人も増えてきました。
土肥: 自転車通勤の場合、両手を使えるモノのほうがいい。お弁当箱を入れるときタテにしたくないので、収納力があるモノのほうがいい。つまり、リュック!
森川: 今秋、女性用のビジネスバックを販売することもあって、アンケートを実施しました。3カ月以内にテレワークを実施した女性に聞いたところ、75%の人は「週に1〜2日」「週に3〜4日」自宅で仕事をしていることが分かってきました。この数字に、どういった意味があるのか。テレワークを実施しているものの、75%の人が家と会社を往復している。ということはPCを持ち運んでいることになるので、今後も買い替え需要はあるのではないかと思っています。
土肥: ビジネスリュックは震災をきっかけに、売り上げが伸びているそうですが、エース社ではどのくらい伸びていますか?
森川: 2010年の販売数と比較して、19年は1277%ですね。
土肥: 1277%!
森川: 個人的な意見になりますが、人間って「快適」なものに流れる傾向がありますよね。冒頭でも申し上げましたが、スーツはカジュアル化していき、スニーカーで出勤する人が増えてきました。このように考えると、荷物の持ち運びが楽なリュックを使う人は増えていくのかなあと。快適さをどんどん求めていくと、どんなカバンになっていくのか。ひょっとしたら、「服とカバンが一体化」した商品が流行るかもしれません。
(終わり)
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