「ジョブ型」人材をあえて雇用する意味はあるのか?:人材教育のプロが指摘(1/3 ページ)
ジョブ型の人材を雇用する上で企業が気を付けるべき、3つのポイントとは? 延べ17万人の社員研修・人材教育に携わってきたプロが指摘。
筆者:朝倉千恵子(株式会社新規開拓 代表取締役社長)
小学校教員を経て、一般企業の営業職として入社。営業未経験ながら、礼儀礼節を徹底した営業スタイルを確立し、3年で売上NO1、トップセールス賞を受賞。
04年株式会社新規開拓を設立。現在までに延べ17万人の社員研修・人材教育に携わる。女性の真の自立支援、社会的地位の向上を目指した、TSL「トップセールスレディ育成塾」を主宰。卒業生は2500名を超える。
著書は全39冊、累計売上部数は約48万部。『コミュニケーションの教科書』(フォレスト出版)、『すごい仕事力』(致知出版社)など。
「ジョブ型雇用」という言葉をよく聞くようになりました。しかし、この言葉を聞くたびに私はいつも「ジョブ型の人材をあえて雇用する意味は何だろう?」と考えてしまいます。
そもそもジョブ型雇用とは?
これまでの日本企業で特徴的だった、人に対して仕事を割り当てるメンバーシップ型雇用に対し、ジョブ型雇用とは、仕事に対して人を集める在り方です。
これまでは、春に新入社員を一括採用し、各企業が社員教育を行い、定年までその会社でさまざまな職種を経験しながら一生働くという在り方が一般的でした。しかし働き方の多様化が進むに従い、専門的な知識を持った人材を、例えばエンジニアであればエンジニアの仕事だけを、営業であれば営業の仕事だけを任せるために雇うことが増えてきました。これがジョブ型雇用です。
もともと、このジョブ型雇用は日本でも少しずつ普及してきていましたが、新型コロナウイルスの影響によって今後ますますその動きは加速していくことが予想されています。どんな大企業であっても、いつ倒産してもおかしくないような社会情勢の中で、まだ仕事ができない社員を、未来の可能性のために雇用し、数年かけて教育している余裕のある会社が激減しているからです。新人であろうが、即戦力として結果を出せる人材を、どんな会社も切実に求めているのが本音でしょう。
これから、専門性を持って成果結果を出せる人材に対する需要が増えることは間違いありません。一方で、冒頭に述べたように「彼らを雇用したい」と考える経営者が増えるかどうかという点で見ると、また違うのではないかと思うのです。
ジョブ型の人材を雇用する上で企業が気をつけたいポイントが3つあります。
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