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唯一無二のアイテムをデジタル化 NFTとは何か?(1/3 ページ)

ビットコインのように数えられるものではなく、唯一無二ものものをブロックチェーン上で取り扱うNFTが、盛り上がりつつある。NFTとはどのようなものでどんな例があり、どんな可能性があるのだろうか?

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 10月5日、アイドルグループ「SKE48」のデジタルトレーディングカードが発売になり、即完売となった。アイドルのトレーディングカード自体は珍しくない。今回新しいのは、これが“デジタル”トレカであり、パブリックブロックチェーンの活用法の新しいトレンドであるNFTを利用している点にある。


SKE48のデジタルトレーディングカードを発売した、国内のブロックチェーン企業coinbookのWebページ

NFTとFTの違い

 デジタルコンテンツの大きな特徴は、自由に複製できることだ。法律で守られているとはいえ、例えばデジタルの画像などは簡単にコピーして流通できてしまう。そのとき、このコンテンツの本当の所有者は誰なのかを明確にすることは難しかった。

 ところがブロックチェーンを使うことで、誰がそのコンテンツの所有者なのかを証明できるようになる。ブロックチェーンを使って絵画作品の所有権を管理するStartrailを開発している、スタートバーン(東京都文京区)の太田圭亮執行役員は、その特徴を次のように話す。

 「例えばゲームのキャラクターは、デジタルなのでいくらでも複製ができてしまい、唯一性を持たせるのが難しかった。ブロックチェーンを使うことで、デジタル上のものについても所有者を証明できる。データ自体はコピーできても、ブロックチェーン上に所有者が記録されることで、デジタルデータ上で所有者を証明できるようになってきた」

 こうした仕組みを実現するのがNFTだ。NFTとはNon-fungible tokenの略で、日本語で代替不可能なトークンと呼ばれる。反対にあるのがFT、fungible tokenだ。これはいったい何か。ブロックチェーンの技術用語としてではなく、広義で見た場合、世界のさまざまな財はNFTにあたる。

 「ほぼ財といわれるものの多くはNFTだ。財に固有性があるもの。不動産やアートもそうだが、まったく同じ性質のものがない」(太田氏)

 一方で、財としての価値が数字で表されるものがFTにあたる。例えば10グラムの金は別の10グラムの金と同じであり、ドルや円といった通貨もそうだ。株式などの証券もFTとなる。一方で、絵画や不動産、ゲーム内で1つしかないアイテム、そういったものはNFTにあたる。唯一のものであって、数字で測ることができない。

 これまでブロックチェーンを活用した財は、ビットコインに代表されるようにFTだった。ところが、ここ数年で唯一性を持つ財についても、ブロックチェーン上で管理できるようになってきた。その仕組みを使って発行する、唯一性のあるトークンが狭義のNFTだ。ここからは、ブロックチェーン上のトークンをNFTとして、その活用法を見ていく。

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