インタビュー
これからの人事担当者は、経営・テクノロジーも理解する「デジタルHRプロデューサー」になるべき:間接部門から開発部門へ(2/2 ページ)
HRテクノロジーに詳しい、慶應義塾大学の岩本隆氏(大学院経営管理研究科 特任教授)は「これからの人事は管理業務を行う部署ではなく、経営者目線で戦略人事を行わなくてはならない」と提言する。どういうことかというと……?
分析には、定量化されたデータが必要だ。音声や画像データ、メールのやりとりやパソコン上の行動データも活用されている。これらの分析には機械学習も使われる。テクノロジーの進化により、新しい分析手法が生まれることも期待されている。データがたまると将来を予測でき、解決策を導き出せる。
日本企業のこれからのHRマネジメントは、人事部が取り組んできた従来型の人事ではなく、CHROなど経営陣のイニシアチブで経営戦略とひも付いた人材戦略になっていく必要がある。ビジネスサイクルが短くなっている今は、戦略に合わせた柔軟な人材を育成、確保しなければならない。そこで最大の課題となっているのが個と組織の関係性における「個の自律、活性化」だと岩本氏は指摘する。
課題は大きく3つの視点から考えることができる。1つは従業員のエンゲージメントだ。ワクワク感、コミットメントを持つような企業文化をどう作るか、これについては取り組む企業が増えてきている。
2つ目はスキルギャップの解消。個々人のキャリアプランに対して、足りないスキルをデータベース化し、AIがレコメンドしていくことが必要になる。
3つ目はダイバーシティーとインクルージョンだ。これらに取り組むことで、画一的な社員育成から、個を生かすHRマネジメントに変わることが期待できるとしている。
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