テレワーク下でこそ威力、「顧客と会わない営業」の極意とは?:「コンタクトレス・アプローチ」に迫る(1/4 ページ)
営業が訪問しづらいテレワーク時代。「顧客と会わない」新たな営業手法が台頭。このコンタクトレス・アプローチとは?
編集部からのお知らせ:
本記事は『コンタクトレス・アプローチ テレワーク時代の営業の強化書』(著・長尾一洋、KADOKAWA)の中から一部抜粋し、転載したものです。顧客へのリアルな訪問を減らしつつ成果を挙げる新たな営業手法「コンタクトレス・アプローチ」についてお読みください。
コンタクトレス・アプローチ(Contactless Approach)とは、顧客へのリアル訪問(コンタクト)を減らし、Web等を駆使してアプローチ数を増やすことで、より大きな成果を挙げる一連の営業行為のことを指します。
「会わない」ことでなぜ成果向上?
「会う」という行為を減らすことで生じた時間や労力を、アプローチ数を増やすことに使い、全体のパフォーマンスを上げていきます。
とはいえ、いきなりそんな定義を語られても、「???」となるでしょう。これまで足を使って歩き回って訪問して営業してきたのに、今「会えない」ことで困っているのに、「会わない」ままで成果を挙げるとは、どういうことなんだ?――そう思われても無理はありません。
そこで、簡単な数式を使って表してみたいと思います。
リアル訪問でのパフォーマンスを「1」とします。一方、コンタクトレスのWeb商談では、双方が慣れない間は多少勝手が違うため、リアルにくらべると若干パフォーマンスが下がると仮定して、「0.8」とします。
訪問(アプローチ)数は、リアルの場合は移動時間などを考慮すると1日に3件程度でしょうか。それに対してWeb商談の場合は、移動の必要がない分、それよりも多くこなせるとして、ここでは5件と考えましょう。数式で表すと次のようになります。
1×3=3 >0・8×5=4
つまり、リアルにくらべてWeb上でのパフォーマンスが(1→0.8)に落ちたとしても、その分アプローチ件数が増やせる(3→5)ので、結果としては大きな成果(3 >4)となる、ということです。
この数式の数値はあくまでも仮定ですが、たとえ会えなくても、アプローチ数を増やすことさえできれば全体のパフォーマンス量を上げることができるという点は、ご理解いただけると思います。
となると、次に「アプローチ数を実際に増やすことはできるのか?」という疑問が生まれるかもしれません。それについては営業担当者の移動時間を考える必要が出てきます。
具体例とともに考えてみましょう。
関連記事
- アベノミクス総括 経済成長しても生活は豊かにならなかった真の理由
菅内閣が誕生、筆者はアベノミクスを総括。経済成長したものの生活への好影響感じられず。真因にマクロ経済から迫る。 - コロナ禍転職不況、中でも「特に厳しい意外な人材」とは?――独自データで分析
コロナ禍で転職市場が悪化、急速に買い手市場に。中でも求人が特に激減している「人材の層」があるという。dodaの独自データから分析。 - 持ち家がもはや「冗談抜きで困難な夢」になったこれだけの理由
いまだに根強いとされる日本人の持ち家志向。しかし筆者は「冗談抜きで困難」になったと指摘。印象論でなくデータから導き出される実態とは? - 「何でもスクショ」な若者と「いつでも電話」中高年の意外な共通点――日本特有の“使えない人材”とは
「何でもスクショを飛ばして済ます」若者が話題に。ただ根底の問題は「いつでも電話」してしまう中高年と一緒と筆者は指摘。日本企業の人材、ひいてはマーケティングに横たわる課題とは? - お盆の県またいだ移動、コロナ禍で前年比3割減――東北・沖縄への流入激減
コロナ渦でお盆期間の県またいだ人の移動が減少。流入人口は全国平均で3割弱減少。KDDIが調査。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.