西松屋が「次のワークマン」になれる理由:しまむらとも似ている(2/6 ページ)
ワークマンやしまむらはもともとニッチなターゲットを狙っていた。それが別の顧客によって新たな価値を“発見”され、ブレークした。西松屋が次のワークマンになりそうな理由とは。
女性客には色気を見せずに徹底して運営改善を図っていた
筆者は現在のブームが起きる前、決算説明会で栗山清治前社長の話を何度も聞いた。事業展開を説明する中で、客層を広げたいという発言はしていたが、「女性にファッション性でも訴求するんだ」という趣旨の話を聞いた記憶はない。
ワーカー向けのお店として、限られたニッチなターゲットを狙っていた。ニッチゆえに、大きな売り上げが期待できない。そのため、少ない売り上げでも利益を残せるだけの自社ブランドでの商品展開による値入改善(売り上げから原価を引いた残りである“粗利”率をアップさせること)や、少人数での店舗運営を行うためのオペレーション効率化を推進。そして、ムダを省く商品管理のシステム改善などを徹底的に行う、まさに優れたチェーン企業そのものだった。
想定外の顧客層から発見されて業績が急拡大
そんな限られた顧客向けの店舗を運営していたワークマンだったが、鍛え上げてきた自社商品の良さが、想定していなかった顧客層から“発見”された。従来のワーカーではない一般消費者から、お手頃な価格で防水性などの機能性に優れた商品を販売していると注目されたのだ。
もともと、少ない売り上げでも利益が残せる体制を追求し、ローコスト運営に磨きをかけてきたワークマンは、損益分岐点(収支があう、赤字にならずに済む)売上高が小さかった。そして、想定外の顧客層を獲得したことによる売り上げの底上げが起きたことで、利益が大幅に拡大した。レバレッジ効果が生まれた。
また、800を超える店舗に商品を供給できる体制を築いていたので、急激な販売拡大にも対応し、売り上げを拡大できた。
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