西松屋が「次のワークマン」になれる理由:しまむらとも似ている(3/6 ページ)
ワークマンやしまむらはもともとニッチなターゲットを狙っていた。それが別の顧客によって新たな価値を“発見”され、ブレークした。西松屋が次のワークマンになりそうな理由とは。
「しまラー」ブームのしまむらにも類似
ワークマンの姿は、09年にしまむらが全国的なアパレルチェーンとして業績を伸ばした時期とオーバーラップする。
現在のしまむらは、若い女性のオシャレ着をお得感のある価格で提供する国内有数のアパレルチェーンと認知されている。もともとはおばさん向けの普段着を求めやすい価格で提供できるチェーンストアとしての運営力に定評のある企業だった。
顧客ターゲットの中核に“おばさん”を据える展開で、限られたターゲット向けの専門店である以上、大きな売り上げは望めない。ゆえに、少ない売り上げでも利益が残せるローコストオペレーションを徹底的に作り上げ、物流などの商品管理で非常に高い評価を受けていた。
マーチャンダイジング(商品政策)を強化するなかで、実用衣料を低価格で提供するだけでなく、ファッション面でも商品力を高めていく。お手頃な価格の衣料で、かつファッション性も有した商品展開ができるチェーンストアになっていた時期に、当時想定していなかった若い女性がしまむらの商品の良さを“発見”してくれた。
郊外で鍛えたチェーンストアのオペレーションが都心でも開花
09年に「しまラー」という言葉が注目されるなど、従来想定していなかった若い女性客が増加。10年2月期は、売上高が前年比4.6%増の4296億円、営業利益は同10.6%増となる369億円となった。さらに、社会的に注目されたことで、それまで郊外や地方での出店が中心であったしまむらが、都心部にあるショッピングセンターなどへの新たな立地展開が可能になった。
現在のしまむらは、当時からさらに1000億円近く売り上げの規模を拡大させた。20年2月期の売上高は5219億円で、国内ではユニクロと並ぶ地位を築いている。
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