西松屋が「次のワークマン」になれる理由:しまむらとも似ている(4/6 ページ)
ワークマンやしまむらはもともとニッチなターゲットを狙っていた。それが別の顧客によって新たな価値を“発見”され、ブレークした。西松屋が次のワークマンになりそうな理由とは。
次のワークマンの条件とは
現在のワークマンと09年のしまむらが飛躍した背景を整理すると、3つの条件が浮かび上がる。
(1)特定のターゲットを狙い、小さな売り上げ規模でも利益を出せるローコストな店作り
(2)全国に店舗網を作り上げて運営できるチェーンストアの運営力
(3)優れた商品力(マーチャンダイジング)、価格競争力のある商品を提供する調達力
これらの条件を満たしたうえで、ターゲット以外の消費者から“発見”されたことで業績の急拡大を実現した。
条件を備えているのが西松屋
西松屋チェーン(以下、西松屋)には次のワークマンになれるポテンシャルがある。
岩崎剛幸氏は8月24日、ITmedia ビジネスオンラインに「店内は客が少ないのに25年連続増収 西松屋がコロナ禍でも絶好調の理由」という記事を寄稿している。優れたチェーンオペレーションにより、着実な業績拡大を実現してきた背景に関しては、この記事を参照していただきたい。
西松屋は、出産・育児をするママをターゲットにしている。少子化が進む中で、日本ではターゲット自体が減り続けている。それでも、育児関連商品やママ向け衣料、そして雑貨を求めやすい低価格で提供する店作りが支持されている。それを支えているのは、少ない人数で店舗オペレーションできる仕組みなどのローコストな運営力だ。
このローコスト運営で、商圏ごとの競争を勝ち抜き、19年1月には全国に1000店舗の出店を達成している。アパレル専門店チェーン企業としては、しまむらや「ローリーズファーム」を運営するアダストリアホールディングスに次ぐ、国内3位となる店舗数の多さだ。
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