キャンピングカーでGoToホテル!? コロナ禍、宿泊業界のユニークすぎる集客の仕掛けに迫る:「近づけない、集めない」 時代を生き抜く、企業の知恵(2/3 ページ)
外国人観光客の増加などでホテルの建設ラッシュが続いた。しかし、新型コロナウイルスの影響でその計画は大きく変わり、宿泊業界は苦境に立たされている。「Go Toトラベル」により国内の観光需要は持ち直しつつあるが、各施設も「宿泊にとらわれない」新たな需要喚起を図ろうと、さまざまな施策を打ち出している。
自宅からホテルまで「キャンピングカー」で送迎
FAV HOTEL TAKAYAMAが密を避けた新しい移動方法として提案するのは、自宅からホテルまでキャンピングカーで移動するというものだ。飲食店事業などを手掛けるファイアープレイス(神奈川県川崎市)が行う「トラベリングホテル」と連携し、キャンピングカーで関東から高山まで公共交通機関を使わずに移動できる。
キャンピングカーには、ソファーや液晶モニター、水道などが備わっていて、家族や友人と快適に過ごすことができる。関東から高山までの移動時間は約5時間。1日あたり平日6万円程、休日は7万円程で利用できる。
ホテル開発を担当した霞ヶ関キャピタル ホテル事業部の嶋村直哉氏は「ホテルがターゲットとするグループ客や家族客が『一緒に過ごす環境を楽しむ』という点で、キャンピングカーでの送迎がマッチしているのではと考えた」とサービス導入の経緯を話す。
これらの取り組みは当初、海外からのグループ客をターゲットに検討していたものだった。しかし嶋村氏は「コロナ禍での旅行形態」として新しい需要があるのではないかと期待を示す。「新型コロナウイルス感染拡大以降、公共交通機関の利用や、ホテル内での接触に抵抗がある人も多いと思う。家族や団体向けの新しい旅の形として提案できれば」(嶋村氏)
実際、多くの人が旅行時は人との接触機会をできるだけ減らしたいと考えている。
神奈川県観光協会が8月に行った調査では、32.0%の人が旅行の際に使用する交通手段として「自家用車」が望ましいと回答。「レンタカー」(12.5%)とあわせて42.5%となり、鉄道(26.1%)や航空便(14.9%)を上回った。
霞ヶ関キャピタルでは今後、旅行代理店などと連携してパッケージツアーとしての展開も想定しているという。
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