ワークマン、10月の既存店売上高34%増 一般客向け店舗を増やす本当の理由:コロナ禍でも好調(3/3 ページ)
ワークマンが10月の月次売上高(速報値)を発表。既存店の売上高は前年同月比の134.5%、客数は126.9%、客単価は105.9%といずれも上回った。好調の要因について「10月に開催した『過酷ファッションショー』や『#ワークマン女子』(横浜市)の開店が話題となったことで、秋冬商品の販売が好調に推移した」と分析する。
メインターゲットの職人を重視
林氏は、メインターゲットである職人を重視するために一般客向け店舗の出店を続けると強調する。同社は今後10年間で、一般客向けの「#ワークマン女子」を400店、売り場構成がプロ向け商品60%、一般客向け商品40%の「ワークマンプラス」を900店、プロ向け商品が80%を占める「ワークマン」を200店とする店舗計画を立てる。
#ワークマン女子の「400店」という数字は、既存の店舗能力や来店者数を分析し「これだけあれば既存店のサービス向上や店舗管理ができる」と割り出した店舗数だという。無理に需要を作り出すのではなく、常にデータを検証して出店数を調整する考えだ。
もともと「#ワークマン女子」という言葉は、同社の製品を愛用している女性客がSNS上で自称していた言葉だ。その店名から女性専用の店舗と思われる人が多いかもしれないが、売り場の構成は女性専用売場40%、ユニセックス20%、男性専用40%で、店名の割に「女性専用」の商品は少ない。「#ワークマン女子の扱う製品は、ワークマンプラスと全て共通で『見せ方』を変えただけ。違いは作業服・作業用品を扱わないことだけだ」(林氏)。
実際、同店の来店客数を男女別に見ると女性客が9割を占めるが、商品別の売り上げは女性向け商品は4割。その他はユニセックス、男性向け商品が占めているという。
ワークマンはコロナ禍でも順調に売り上げを伸ばしていて、2021年3月期のチェーン全店売上高は、前年同期で13.9%増となる1389億9800万円を予想している。
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