寺田倉庫が天王洲に「水上ホテル」をオープン “運河に浮かぶ小舟”を新たな観光資源に:1泊8万円から
寺田倉庫は、東京都品川区の天王洲で、水上ホテル「PETALS TOKYO」をオープンした。運河やアートといった観光資源がある天王洲エリアの特色を生かした宿泊施設として運営し、滞在型観光を推進する。
倉庫業の寺田倉庫は11月9日、東京都品川区の天王洲で、水上ホテル「PETALS TOKYO(ペタルストーキョー)」をオープンしたと発表した。運河やアートといった観光資源がある天王洲エリアの特色を生かした宿泊施設として運営。滞在型観光を推進し、同エリアの活性化の一助とする。
寺田倉庫は天王洲を拠点としており、本社オフィスや同社が管理する倉庫が天王洲エリアにある。また、美術品の保管サービスを行ってきた歴史から、芸術文化発信施設なども運営。建築模型専門の「建築倉庫ミュージアム」、ギャラリーやアトリエなどアート関連の施設を集約した「TERRADA ART COMPLEX」などを運営し、“アートの街”を盛り上げる取り組みにも力を入れている。
新たな施設として開業した水上ホテルは、天王洲運河に設置したコテージタイプの宿泊施設。中央のイベントスペース「T-LOTUS M」を囲むように停泊する4隻の小舟が客室となる。小舟1隻につき1室となっており、定員は2人。1室あたり40〜45平方メートルの広さとなる。
古くから運河の街として発展したオランダ・アムステルダムの「ハウスボート」のように、ハンドクラフトの味わいを感じられる小舟で、4隻それぞれ異なるデザインに仕上げた。室内には、ベッドやソファ、デスクなどのほか、テレビ、Wi-Fi、シャワーなどの設備がある。
施設周辺は、電柱の地中化や植栽を行ったことで、「品川駅から徒歩圏内の都会にありながら、運河の街特有のゆったりとした時間、自然との融合を感じられる空間」(同社)になっているという。また、自然由来の素材や再生可能資源を用いたアメニティーを用意するなど、環境への配慮も重視している。
宿泊料金は、1泊1室あたり8万円から(朝食付き)。観光振興策「Go To トラベルキャンペーン」の対象にもなっている。
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