寂しかったベイエリア「竹芝」が最先端の街に 船とテクノロジーでにぎわいは生まれるか:スマートシティーになる?(1/2 ページ)
東京都港区の竹芝エリアで複数の再開発計画が進んでいる。東急不動産と鹿島建設の計画では、名称を「東京ポートシティ竹芝」に決定。街で最先端のテクノロジーを活用する「スマートシティー」を構想する。新たな魅力をつくり出そうとする動きが活発だ。
東急不動産はこのほど、東京都港区の竹芝エリアで鹿島建設と共同で進める再開発計画の街区名称を「東京ポートシティ竹芝」に決定したと発表した。竹芝エリアでは複数の再開発計画が進んでいる。東急不動産などの計画では、街で最先端のテクノロジーを活用する「スマートシティー」を構想。JR東日本グループは「水辺を生かしたまちづくり」を掲げ、定期船などを含む舟運の活性化を目指す。東京のベイエリアで新たな魅力をつくり出そうとする動きが活況を呈している。
500メートルの歩行者用デッキを整備
2020年開業予定の東京ポートシティ竹芝は、「可能性にあふれた竹芝の街が新時代の国際ビジネス拠点となること」を思い描いて名付けられたという。オフィスタワーとレジデンスタワーで構成される、総延床面積約20万平方メートルの大型複合拠点となる。
店舗やシェアオフィス、ホールなども入るオフィスタワーでは、入居するソフトバンクと共同で「スマートビル」を構築することが発表されている。ビル内の温度やCO2濃度などの環境の変化、歩行者の滞留、設備の不具合、公共交通機関の遅延など、さまざまな“イベント”のデータを収集・分析するプラットフォームを導入。異常が発生したときに的確な判断や最適な行動ができるように支援したり、飲食店の混雑状況などの有益な情報を提供したりするアプリケーションを提供できるようになるという。
オフィスタワー以外でも、ロボティクス、モビリティ、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、5G(第5世代移動通信システム)、ドローンなどの領域で実証実験を行う。さまざまな事業者が最先端のテクノロジーを持ち寄って、エリア活性化や課題解決を目指すスマートシティの構築を目指す。
その他、JR浜松町駅から首都高速道路を跨ぎ、東京ポートシティ竹芝を経て、ゆりかもめの竹芝駅、竹芝ふ頭までをつなぐ、全長約500メートルの歩行者用デッキを整備。浜松町駅から竹芝エリアへのアクセスを向上し、歩行者の行き来を活発にする。
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