日本一の330メートル高層ビル、森ビルが着工 “超高層”は今後10年で大きく変化:390メートル計画も進む
森ビルは8月5日、虎ノ門・麻布台地区に高さ約330メートルの超高層ビルなどを建設する大規模再開発事業に着工。完成時点で日本一の高さのビルになる。一方、それを上回る390メートルのビルの建設計画もあり、超高層ビルの様相が変わっていきそうだ。
森ビルは8月22日、東京都港区の虎ノ門・麻布台地区に、高さ約330メートルの超高層ビルなどを建設する大規模再開発プロジェクトの詳細を発表した。330メートルのビルが完成すれば、完成予定の2023年3月末時点で大阪市の「あべのハルカス」(300メートル)を抜き、日本一の高さとなる。しかし、4年後の27年には、三菱地所が東京駅前で計画している390メートルの超高層ビルが完成予定。“超高層”の様相が一気に変わっていきそうだ。
8月5日に着工した「虎ノ門・麻布台プロジェクト」では、オフィスや商業施設を中心とした330メートルのメインタワーに加えて、住宅やホテルなどが入る東棟、西棟、低層棟のほか、広大な広場などを整備する。事業費は約5800億円。
開発計画区域は約8.1ヘクタール(8万1000平方メートル)にも上る。延べ床面積は約86万400平方メートル。就業者数約2万人、居住者数約3500人、年間来街者数2500万〜3000万人を見込み、「スケールとインパクトは六本木ヒルズに匹敵」(同社)するという。
また、開発区域は、同社が開発してきた「六本木ヒルズ」「アークヒルズ」「虎ノ門ヒルズ」に近接している。エリア一帯としての文化圏・経済圏の広がりを発信していく方針だ。
今回のプロジェクトでは、緑化にも注力している。緑化面積は約2.4ヘクタール(2万4000平方メートル)。高低差のある地形を生かして、低層棟の屋上を含む敷地全体を緑で覆うようにする。
整備予定の施設も多様だ。医療施設、スパ、フィットネスクラブ、フードマーケット、レストラン、広場、菜園などを整備し、メンバーシッププログラムで連携させる構想がある。また、生徒数約700人のインターナショナルスクール、ミュージアムやギャラリーといった文化施設も新設する。
三菱地所が東京駅前の常盤橋地区で進めている大規模開発事業もすでに着工している。高さ390メートルの超高層ビルは23年着工予定だが、隣接する212メートルのビルの建設は始まっており、27年の全体開業に向けて段階的に整備が進んでいる。
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