開業から40年たっても、池袋サンシャインシティが年3000万人を集める理由:かつては東洋一の高さ(1/5 ページ)
東京・池袋の複合施設「サンシャインシティ」。開業から40年以上たっても、来街者数が過去最高を更新するなど、進化を続けている。当初“東洋一”の高さを誇っていたビルは何が変わり、何が変わらないのか。その魅力を見直したい。
東京・池袋のシンボル「サンシャインシティ」。その中核を担う高層ビル「サンシャイン60」は1978年に開業した当時、東洋一の高さを誇っていた。2018年に開業40周年を迎え、昭和、平成という時代と共にあったランドマークも、新たな時代に突入している。
サンシャインシティの年間来街者数は、17年度に過去最高となる3290万人を記録。40周年に向けて取り組んできた水族館や商業施設のリニューアルなどの効果が表れた。そして、18年度も過去4番目となる3190万人が訪れたという。
開業から40年以上たっても多くの人を集め続けるサンシャインシティ。時代と共に進化したこと、そして、ずっと変わらないことは何だろうか。その歴史を振り返りながら、あらためて魅力を見直したい。
副都心・池袋の発展の鍵となった拘置所跡地再開発
現在サンシャインシティがある場所は、かつて戦争犯罪人などを収容していた「巣鴨プリズン」の跡地だったことは、有名な話である。高度成長期、新宿や渋谷などとともに“副都心”として位置付けられた池袋では大規模な開発が進んでいた。その一つが、拘置所移転後の跡地再開発だった。
池袋駅には百貨店が隣接しており、当時は駅周辺に商業施設が集中している状態。「池袋は“駅袋”」などと言われる状況から脱し、エリア全体で発展させることが課題だった。そこで、西武流通グループ(後のセゾングループ)の堤清二氏が旗振り役となり、サンシャインシティの前身となる「新都市開発センター」を設立。三菱地所などが出資し、拘置所跡地再開発が本格始動した。
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