開業から40年たっても、池袋サンシャインシティが年3000万人を集める理由:かつては東洋一の高さ(2/5 ページ)
東京・池袋の複合施設「サンシャインシティ」。開業から40年以上たっても、来街者数が過去最高を更新するなど、進化を続けている。当初“東洋一”の高さを誇っていたビルは何が変わり、何が変わらないのか。その魅力を見直したい。
サンシャインシティの中で最初にオープンしたのが、1978年4月のサンシャイン60。オフィスと展望台を備えた高さ239.7メートルの高層ビルだ。当時、東洋一の高さだった。実は、計画段階ではツインタワーにする構想などもあったという。さまざまな形状や階数を検討したのちに、「とにかく一番大きい」「60階建てのビル」という計画に落ち着いた。
「サンシャイン60」という名称は、公募で決まった。約7万1000通もの応募から「呼びやすい」「明るくて新鮮」「シンボルにふさわしい」という理由で選ばれたという。その後、78年10月に水族館や商業施設などがオープンした。
「東洋一」をうたった展望台は、開業と同時に大きな話題となり、連日大行列ができた。近隣のファミリー客だけでなく、地方から観光バスで訪れた観光客も多かったという。
79年にはプリンスホテルも開業し、劇場や博物館など文化施設も備えた複合施設として、幅広い客層を獲得。そして、この「複合施設」が、40年以上にわたってサンシャインシティの発展を支える土台となっているのだ。
「なんか面白いこと、ある。」で幅広い集客
90年代に入ると、バブル経済が崩壊し、社会全体で消費が低迷。サンシャインシティもその影響を受けて来街者数が減少した。しかし、そのころも含めて「ものすごく落ち込んだ時期はないですね」と、サンシャインシティ コミュニケーション部の担当者は話す。
その理由が「複合施設」という特性だ。ショッピングセンターだけでなく、水族館やプラネタリウム、展望台、そしてオフィスも備えているため、どこかが落ち込んでいても他の施設で補い合うことができるという。
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