開業から40年たっても、池袋サンシャインシティが年3000万人を集める理由:かつては東洋一の高さ(3/5 ページ)
東京・池袋の複合施設「サンシャインシティ」。開業から40年以上たっても、来街者数が過去最高を更新するなど、進化を続けている。当初“東洋一”の高さを誇っていたビルは何が変わり、何が変わらないのか。その魅力を見直したい。
実際、開業当時の目玉だった展望台は、時代と共にその相対的な優位性は低下している。90年には東京都庁第一本庁舎、93年には横浜ランドマークタワーが完成し、「日本一高いビル」の記録は塗り替えられた。また、都庁には「無料」の展望台が設置され、観光客が景色を楽しむスポットとして定着していった。
だが、サンシャインシティには観光以外の“機能”もある。その一つが「情報発信地」としての機能だ。サンシャインシティ内のワールドインポートマートビルと文化会館ビルには「展示ホール」があり、ビジネス向け、消費者向けの展示会や物産展などが開かれている。また、ショッピングセンター「アルパ」内にある「噴水広場」では、新商品のPRイベントなどが頻繁に開催され、買い物客らを楽しませている。水族館では、季節やトレンドに合った展示を行い、話題を提供している。
「サンシャインシティのキャッチフレーズは『なんか面白いこと、ある。』です。特に目的がなくても、ここに来れば何か楽しいことがある。そんな場所を目指しています」(担当者)
サンシャインシティにはファミリー客が多いイメージが強いが、実際にはかなり幅広い層が訪れている。アルパ内の店舗からは「客層がつかめない」という声もあるため、イベントのスケジュールや内容を参考情報として提供しているという。
ところで、サンシャインシティの商業施設はアルパ以外に「アルタ」がある。なぜ似たような名称のショッピングセンターが2つあるのか。尋ねてみると「たまたま」だという。サンシャインシティが運営するアルパに対して、アルタの運営は三越伊勢丹プロパティ・デザイン。開業当初は「三越」を含んだ名称だったが、時代と共に変遷し、現在は同系列の他の店舗と同じ「アルタ」の名称になっているという。
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