現在休業中の人に聞く、「手当よりも、働きたい」44%:世帯年収が低い人ほど
新型コロナによって、現在休業中の人はどんなことを考えているのか。正社員に聞いたところ「実際に仕事をして賃金を受け取れる方がよい」と答えた人は半数近くに達していることが分かった。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、現在休業中の人はどんなことを考えているのだろうか。「休業手当を受け取れるならば、現在のように休業を続けられる方がよい」と答えた正社員は5割超(男性で54.7%、女性で57.1%)と多いものの、「実際に仕事をして賃金を受け取れる方がよい」も半数近く(男性45.3%、女性42.9%)に達していることが、野村総合研究所(東京都千代田区)の調査で分かった。
また、休業手当を受け取っている休業中の正社員であっても、約4割(男性42.2%、女性39.1%)が「実際に仕事をして賃金を受け取れる方がよい」と回答。この結果について、野村総合研究所は「休業の長期化や将来不安なども背景に、今後、休業手当を受け取るよりも実際に仕事をして賃金を受け取れる方がよい、と考える人が少なくない」とコメントした。
休業中のパート・アルバイト女性の場合、「休業手当を受け取っている」と答えたのは30.9%、「受け取っていない」は69.1%。一日の労働時間のうち、一部を休業する短時間休業の場合だけでなく、一日単位で休業している場合でも、63.7%は「その分の休業手当を受け取っていない」と回答している。
休業手当の受け取り有無を世帯年収別に見ると、世帯年収が低い人ほど休業手当を受け取っていない割合が高いことも分かった。「本来受け取り権利があるにもかかわらず、休業手当を受け取れず、生活が困窮している層に対し、休業手当を含む経済的支援を迅速かつ確実に届けることも喫緊の課題だと考える」(野村総合研究所)
インターネットを使った調査で、新型コロナの影響で現在休業中の労働者2163人が回答した。調査期間は10月20日から21日まで。
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