「面接のオンライン化」だけでは失敗する! Googleドライブ、Slackもフル活用、「採用業務オンライン化」攻略法:驚きの成果(4/4 ページ)
コロナ禍で、採用面接も変化し、オンライン形式がメインになりつつある。一時しのぎではなく、抜本的な改善として「採用業務のオンライン化」を進めるには、注意すべきポイントがある。
採用業務のオンライン化による成果
採用業務をオンライン化して半年がたち、さまざまな効果を実感するようになりました。
分かりやすいところでいうと、採用業務で使用する紙とその印刷量が大幅に削減できています。全てが採用業務によるものではないにせよ、全社で印刷・紙にかかるコストは従来の半額以下となりました。
また、オンライン化したことにより、紙だけでなく作業コストも減少しました。以前は面接までに全員分の書類を印刷し、評価を紙で集計していたのもあって、採用担当2人がかりで面接の準備をしなければなりませんでした。しかし今は1人で全てできるようになり、少なくとも作業時間の50%程度はカットできたと感じています。浮いた時間を採用戦略について思考する時間に使えるようになったことで採用の質が向上しましたし、面倒な作業がなくなり自分自身のストレスも減りました。
あわせて、会議室の空きがなく他の会議や打ち合わせを調整してもらうなど苦戦していた面接場所の確保が、オンラインになったため不要になり、日程調整にかかる時間を減らすこともできています。
何よりコロナ禍の中でも遅滞なく採用業務が続けられている点自体がメリットとも言えます。一般的に新型コロナ流行以後に採用スピードが鈍化した企業も少なくない中、当社は以前と面接実施数に変化がなく、順調に採用活動ができています。
入社後のプロセス改善まで視野に入れて最適化を
採用業務のオンライン化に取り掛かった当初は、限定的だったオンラインでの面接について、ツールを整え対象者を拡大して実施できればいいものだと考えていました。しかし、実際にはバックオフィス業務で扱っていた紙の書類のデジタル化、個人情報のクラウド管理への移行に伴う運用方法の検討など、周辺まで踏まえた制度設計が必要でした。このように採用業務に関わる問題をトータルで考えてこそ、本当の意味でオンライン化の効果が得られるのだと思います。
そして現在は、採用業務のオンライン化をさらに整備するとともに入社後のプロセスも含めての改善に着手しました。採用業務をオンライン化するにあたって、採用した人の入社後も考慮してフローを整えています。今後は選考から入社後の活躍までを1つのパッケージとして採用フローを最適化していく予定です。
というのも、採用業務とは採用した人が入社したら終わりではなく、社内で活躍することがゴールであると考えているからです。入社後にどれくらい活躍したかまであわせて見ていくためには、採用時の評価と入社後の評価を一元的に参照できるようにしておかなければなりません。オンライン化とともに、応募者ごとに各選考担当者がどのような評価をしたかを全て記録するようにしており、今後は入社後の活躍度合いもあわせて見ながら、PDCAを回していきたいと考えています。
企業の採用担当者は、コロナ禍によって少なからずご苦労をされているかと思います。ただ、ピンチとチャンスは表裏一体です。これを一つのチャンスと捉え、これまで手を付けられていなかった採用業務の改善に乗り出すべきだと私は考えています。採用に責任を持つ人間として、引き続き「これからの時代にふさわしい採用業務の形」を模索し続けていきます。
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