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インフレが来る? 通貨からの逃避続く世界経済(3/3 ページ)

コロナ禍の拡大は続いているが、株式市場は好調を維持している。この背景には何があるのか。「貨幣からの逃避を垣間見た、それが今年のマーケットだった」。そう話すのは、フィデリティ投信のマクロストラテジスト重見吉徳氏だ。

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長期ではインフレ

 こうした背景から、長期ではインフレが想定される。そしてインフレに対応する資産として、株式やREIT(上場不動産投信)に資金が流入している格好だ。インフレへの対策としては、インフレ連動債や金(ゴールド)、仮想通貨も考えられるが、これらにはリスクがある。「インフレ連動債は強制償還があるかもしれない。ゴールドは民間での所有が禁止された歴史もある。流動性にも注意してほしい」(重見氏)


40年にわたり低インフレが続いてきたが、ゼロ金利から貨幣の発行増大、債務拡大と来たとは、これまでの歴史ではインフレが襲っている(フィデリティ投信)

 一方で中期ではまだディスインフレが続くと見る。4〜5年、もしかしたら10年近くは、中銀の金融緩和が続く可能性が高く、株高は続くという見立てだ。

 では日本においては、インフレが起こるとしたら何がきっかけになるのか。かつてのドイツやジンバブエで起こったような、物価が1年で数倍になるハイパーインフレはすぐには考えにくい。最近の高インフレの国であるトルコの状況などをみると、通貨安によって輸入品が値上がりする「輸入インフレ」という流れではないかと見る。

 「日本の経常収支が赤字に転換するタイミングで、円安が起こる。すなわちインフレになるのではないか。トリガーは通貨安だ」(重見氏)

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