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日産三菱ルノーのアライアンスは崩壊するか?コロナ禍で加速する自動車業界の勢力争い(2/5 ページ)

公共交通より安全に移動できるクルマが見直され、自動車業界の業績がコロナ禍の悪化から回復を見せている。しかしエンジン車販売規制に伴うEVシフトも見据えれば、楽観視はできないず、アライアンスなどによる連合グループは、提携解消の可能性もある。今回は世界の主要メーカーのアライアンス状況と、課題を考える。

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コロナ禍で、アライアンスやグループに変化が起きるか

 まずは現在の世界の自動車メーカーの勢力図を把握しておこう。ドイツ勢はVW(フォルクスワーゲン)グループとダイムラー・グループ、BMW(ビー・エム・ダブリュー)グループに集約され、それぞれ商用車については英国や米国などの伝統あるブランドも傘下に収めている。

 その他の欧州メーカーでは、ボルボは中国の吉利(ジーリー)、ジャガーとランドローバーはインドのタタが傘下に収めているが、どちらも独立性は保たれている。ボルボに至っては吉利の新ブランドであるLYNK&CO(リンク・アンド・コー)とプラットフォームを共有することで、より効率の良いクルマ作りが行えているほどだ。

 吉利は、ボルボカーズの親会社であるだけでなく、トラックメーカーも含めたボルボグループの筆頭株主となっているほか、ダイムラーグループの筆頭株主にもなっている。今後さらに株を買い進めて影響力を増す可能性もないわけではない。しかし最近は、米国も欧州も中国資本を脅威と見ているため、十分に警戒しながら付き合っていくのだろう。

 一方、欧州最大のVWグループは、再編に着手することになったようだ。一部報道で噂されていたランボルギーニとドゥカティを売却するという話は否定されたが、今後これが起こり得ないと断言はできない。

 またこれまでベントレーは、VWグループ内でスーパープレミアムグループとされていたが、先頃、プレミアムグループのアウディブランドの管理下に移行することが発表されている。その目的は、電動化のため構造をアウディと共用化することのようだ。20年に、ついに旧世代のパワーユニットと決別したベントレーだが、今後アウディとプラットフォームを共用するとなれば、電動化の推進と同時にベントレーらしさをどう演出していくかは、気になるところだ。


ドイツ、ニーダーザクセン州にあるVWのヴォルフスブルク工場。KdF-Wagen(ビートルの前身)の生産が始められたVWの本拠地であり、今もVW車が生産されるが、トヨタと世界一の生産台数を競い合うメーカーだけに世界中に生産拠点を展開している(nmann77 - stock.adobe.com)

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