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アパレル“総崩れ”はコロナのせい? 復活に必要な6つの「シフト」:カジュアル化の流れ(1/5 ページ)
コロナ禍でアパレル業界が窮地に陥っている。しかし、根本的な変革が求められていたと筆者は主張する。業界の“悪弊”を抜け出すために必要な戦略とは。
アパレル業界が長期化する新型コロナの影響を受けています。これまでも、不況色が強くなると「衣食住」の「衣」に対する支出が減少する傾向はありました。しかし、今回は過去に例がないほどの落ち込みを見せています。なぜなのでしょうか。
アパレル業界が苦境に陥った理由とその対策を、流通小売り・サービス業のコンサルティングを約30年続けてきてきたムガマエ株式会社代表の岩崎剛幸が解説します。
衣服の支出は8カ月連続減少
総務省の家計調査によると、2020年5月における2人以上世帯の消費支出のうち「被服及び履物」は7780円でした。物価変動の影響を除いた実質ベースで、前年同月比38.3%減です。19年10月から8カ月連続で減少しており、私はこの数字に驚きました。アパレル消費の減少幅は、緊急事態宣言の出た4月の55.4%減よりは縮小したものの、5月の消費支出全体の16.2%減と比べて特に落ち込みが大きかったからです。
アパレル業界は完全に「別の次元にシフトしなければ生き残ることができない」ことを実感した瞬間でした。
アパレル業界にはこれまで2つの神話がありました。
一つは「店を出せば売り上げが上がり続ける」という神話。
もう一つは「シーズンごとに商品を出せば売り上げが上がる」という神話です。これが完全に崩壊しました。
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