完全番号レスのクレカ「セゾンカードデジタル」が目指す、カードなしのクレジットカード(3/3 ページ)
クレディセゾンが2020年末に提供を開始した「セゾンカードデジタル」。券面の表にも裏にも一切番号を記載しない「完全番号レス」カードだ。国内初となるこの仕組みはどうやって生まれたのか。担当者に直撃した。
次の展開、アライアンス
セゾンカードデジタルの次の展開は、他業種との連携だ。昨今サブスクリプションサービスが流行しているが、その最大の課題は支払い方法にある。クレジットカードを持っていても、番号などを都度登録しなくてはいけないし、クレジットカードを持っていない場合、まずは新規発行からしなくてはならない。
ここでセゾンカードデジタルの「スマホで5分で発行できる」点が生きる。例えば、サブスクリプションサービス申し込みの画面で、「セゾンカードを発行して申し込み」というようなボタンを表示させ、それを押してカードに申し込めばカード情報が先方の決済に自動的に入力されるイメージだ。
実際、Apple Payの登録では、ユーザーはカード番号を一切入力することなく登録が完了し、利用できるようになっている。接続のためのAPIも用意してあり、サービス側と調整すれば、こうした世界が実現することになる。
現在はカードを発行するとプラスチックカードが手元に送られてくるが、「プラスチックカードの発行を選択性にすることは視野に入れている。そんなに先の話ではない」と吉村氏は言う。一切手元にカードが届かないクレジットカードが生まれるわけだ。
セゾンカードデジタルの発行は順調だ。「SNSなどでナンバーレスカードが話題になった。高めの目標を立てているが、初動は悪くない」と吉村氏。スマホというデバイスが、クレジットカードの“カード”自体をなくしてしまうのも、遠くなさそうだ。
関連記事
- 番号記載が一切ないカード「SAISON CARD Digital」提供開始
クレディセゾンは11月24日、券面表裏に一切の番号を記載しない「SAISON CARD Digital」の提供を開始した。国際ブランドはVisa、Mastercard、JCB、およびアメリカン・エキスプレスカード。申し込みや利用はWebサイトかスマートフォンアプリを使う。 - ついに完全番号レスのクレカ登場 「最高のセキュリティカード」とクレディセゾン
セゾンカードなどを発行するクレディセゾンが、カードレスの決済を強化する。プラスチックカードの発行を待たずにスマホ上でバーチャルカードを発行する「セゾンカードレス決済」を開始。プラスチックカードを希望する会員には、カードの表にも裏にもカード番号や有効期限、セキュリティコードが記載されない新たなクレジットカードを発行する。クレディセゾンは「最高のセキュリティカード」としている - 三井住友カード、表面番号レスの新クレカ 20%還元キャンペーンも
三井住友カードは2月3日から、同社発行のクレジットカードを30年ぶりに新デザインにリニューアルする。これまで板面表にあったカード番号と有効期限を、裏面に集約する。海外では複数のカードが同様のデザインだが、「日本では初めて」。 - 3%還元のVisa LINE Payクレカ、三井住友カードから再登場
カード発行パートナーを変えて、3%還元のLINE Payクレカが再登場。4月下旬から受付開始。 - 日本初の「月会費制」カード、セゾンローズゴールド・アメックス発行
クレディセゾンは11月26日、セゾン・アメリカン・エキスプレス・カードの新たなラインアップとして「セゾンローズゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード」の発行を開始した。申し込みは期間限定で、2021年6月30日まで受け付ける。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.