20年の外食売り上げ、過去最大のマイナス 居酒屋は5割減:全体で15%減
日本フードサービス協会が発表した2020年の外食産業市場動向によると、全体の売上高は前年比15.1%減。調査開始以来最大の下げ幅となった。新型コロナ感染拡大の影響が年間を通して大きく、特に居酒屋業態は5割減と深刻だった。
日本フードサービス協会が1月25日に発表した2020年の外食産業市場動向によると、全体の売上高は前年比15.1%減で、1994年の調査開始以来最大の下げ幅となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響が年間を通して大きく、特に居酒屋業態で深刻な打撃となった。
全体の売上高は、緊急事態宣言が出された4月に前年同月比39.6%減となり、単月として最大の下げ幅となった。その後は徐々に回復してきたものの、夏以降も外食の自粛傾向は続き、書き入れ時である年末には第3波の影響を受けたことから、年間で大幅な落ち込みとなった。
売上高を業態別にみると、「ファストフード」は堅調。3.7%減にとどまった。テークアウトやデリバリー需要が拡大した効果などもあり、ファストフードの中でも「洋風」カテゴリーは前年を上回る実績だった。
一方、それ以外の業態は大きく売り上げを落とした。特に「パブレストラン/居酒屋」は49.5%減と、前年の半分の売上高にとどまった。店内飲食が中心だった「ファミリーレストラン」は22.4%減。「ディナーレストラン」(35.7%減)、「喫茶」(31.0%減)も減少幅が大きかった。
同協会によると、新型コロナ感染拡大以降の外食需要は、感染リスクを下げる行動やテレワークの増加などにより、郊外立地、テークアウト・デリバリー、ランチタイム、少人数利用といった条件の業態や店舗に移行する傾向が強くなっている。感染拡大の影響が長引いていることから、こういった傾向は21年も続きそうだ。
関連記事
- モンテローザ、都内61店舗を閉店 時短営業に苦慮、固定費削減へ
「白木屋」「魚民」などの居酒屋を展開するモンテローザは、東京都内の61店舗を閉店する。都内337店舗のうちの2割弱に当たる。営業時間短縮要請に応じながら事業を継続させるため、大量閉店を決めた。 - 2020年の「飲食店」倒産、780件で過去最多 居酒屋にコロナ禍の打撃
帝国データバンクは、2020年の飲食店事業者の倒産件数が780件となり、過去最多を更新したと発表。特に居酒屋の倒産が多かった。今後も緊急事態宣言に伴う対応が求められるなど、厳しい事業環境が続く見通しだ。 - 東京都、時短協力金の支給拡大 大企業も対象に、1日6万円
東京都は、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした営業時間短縮要請について、協力金の支給対象を拡大する。新たに1月22日から要請に応じる事業者や、これまで対象外だった大企業にも1店舗当たり1日6万円を支給する。 - サイゼ社長の「ふざけんな」は当然 時短要請と協力金が批判されまくるワケ
当初、東京都は協力金を支払う対象を中小事業者に限定していた。しかし、大手企業から“異論”が相次いだ。不公平な仕組みを見直さなければ、都心店・大型店の崩壊は近い。 - 串カツ田中、関西・東海など7府県でも直営店休業 首都圏と合わせて109店舗
串カツ田中ホールディングスは、首都圏1都3県に続いて、関西・東海地方など7府県の直営25店舗を1月12日から休業する。緊急事態宣言の対象地域は拡大される見通し。自治体からの営業時間短縮要請などを受け、休業店舗の拡大を決めた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.