2020年の「飲食店」倒産、780件で過去最多 居酒屋にコロナ禍の打撃:先行きも不透明
帝国データバンクは、2020年の飲食店事業者の倒産件数が780件となり、過去最多を更新したと発表。特に居酒屋の倒産が多かった。今後も緊急事態宣言に伴う対応が求められるなど、厳しい事業環境が続く見通しだ。
帝国データバンクは1月6日、2020年の飲食店事業者の倒産件数が780件となり、過去最多を更新したと発表した。新型コロナウイルス感染拡大による営業時間短縮や外出自粛の影響で、特に居酒屋の倒産が多かった。今後も緊急事態宣言に伴う対応が求められるなど、厳しい事業環境が続く見通しだ。
飲食店の倒産件数は、19年の732件を超えて過去最多となった。件数の増加は2年連続。
業態別では、「酒場・ビヤホール」が189件で最多。全体の24.2%を占めた。次に多かったのが「中華・東洋料理店」の105件。「西洋料理店」(100件)、「日本料理店」(79件)、「バー・キャバレーなど」(69件)、「喫茶店」(68件)と続いた。酒場・ビヤホール、日本料理店、喫茶店の件数は過去最多だった。
負債規模は「5000万円未満」が620件となり、小規模の事業者の倒産が79.5%を占めた。「5000万円以上1億円未満」が86件、「1億円以上5億円未満」が61件、「5億円以上10億円未満」が9件、「10億円以上50億円未満」が4件。負債50億円以上の倒産は13年以降発生していない。
首都圏では1月7日にも緊急事態宣言の発令が決定し、飲食店には午後8時までの時短営業が要請される。協力金が増額されるとはいえ、協力しない飲食店を公表できるようにもなる。20年春以降、客数の減少によって厳しい経営が強いられてきたが、さらに事業環境が悪化することは避けられない。
関連記事
- 飲食店の倒産「過去最多」が確定 居酒屋で急増、年末年始も需要縮小の恐れ
帝国データバンクの調査によると、2020年1〜11月の飲食店の倒産件数は736件となり、通年でも過去最多となることが確定した。再び短縮営業などが求められる年末にかけてさらに増加する恐れがある。初の800件に到達する可能性もあるという。 - 飲食業の倒産810件、過去最多を塗り替える
東京商工リサーチは12月23日、2020年1月〜12月22日までの飲食業倒産(負債1000万円以上)は、累計810件に達していることを明らかにした。 - 2019年の企業倒産、11年ぶり増加 「人手不足」関連は過去最多
東京商工リサーチの「全国企業倒産状況」によると、2019年の倒産件数は、前年比1.7%増となり、11年ぶりに前年を上回った。一方、負債総額は過去30年間で最少を更新。「人手不足」関連倒産件数は過去最多だった。 - コカ・コーラBJH、900人早期退職実施 20年12月期は赤字予想
コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは、900人程度の早期退職を実施する。構造改革の一環として、事業の効率化を図る。20年12月期の業績予想も発表。赤字計上を見込む。 - ロイヤルHD、200人の希望退職者を募集 50歳以上が対象
ロイヤルホールディングスは早期希望退職者を200人程度募集する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.